南アフリカ共和国 ~ライフスキル育成中~
どうも~ 月曜日担当のカオルです。
先週が雨のおかげで楽だったので、がっつり5日間あった今週は少し疲れました(笑)
今週は、本来第9回ブログ内共同企画ということで、
「協力隊員の一日のスケジュール紹介」 または、 来月に帰国する隊員(現職参加)には、「協力隊活動の振り返り」をお願いしました。
特に、「活動の振り返り」は、その隊員の1年9か月の思い出が詰まっていると思うので、ぜひ見てくださればと思います!! 僕自身も楽しみにしております^^
僕の場合は、以前「協力隊員の1日のスケジュール」を公開してしまったので、別の話題にさせていただきます。
kyouryokutaimath.hatenablog.com
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さて、話を日常生活にあてますと、ぼくのおばあちゃん(南アの)は腕輪(ブレスレット)を作るのがとても上手で、首都に行く際には他の人から作ったのを持って来てほしいと良く頼まれます。
来週首都に上がるため、それに合わせて今回もおばあちゃんに頼んで作ってもらいました。
現地の白人の人にも人気で、ゲストハウスのオーナーからも作成を頼まれることがしばしばです^^
お次は授業中の一コマ。
最近子どもたちに、「11×11~19×19を言えたら、日本のお菓子をあげる」と言って、2乗の数の暗記をさせています。
僕は小学六年生のころに暗記したのですが、あまり使った記憶はない(笑)
でもルートの計算が7年生(日本でいう中一)で始まるので、まあ「11×11~19×19」ぐらいであれば覚えておいて損はないだろうとなんとなく。ランダム形式で子どもには答えさせます。
別に覚えていなくても良いと思ってるので、あくまで覚えた子には報酬を上げるという形を取っています。
もちろんすぐにクリアしてしまう子も出てきます。言うて、9パターン覚えるだけですからね。また子ども達をチェックしている僕は、おぼろげな記憶がしっかりと定着してきました(笑)
そしたらなんと「20×20~29×29もやりたい」という子どもが・・
え~~~~~ 俺も出来ないんだけど・・
でもやる気があるのはいいことなのかなと思い、その場で電卓で計算して、子どもにノートに書かせました。また自分自身も出来ないと恥ずかしいので、教えた日に家で練習して覚えました。
次の日「先生、私をチェックして!!」というので、チェックしたら見事に合格。
まじか~~い。ほんとに家できちんと練習するとは思わなかった^^
みんなが遊んでいる時に覚えるっていうのは、自分をコントロールしないと出来ないですし、「20×20~29×29」だと数字も大きくなりますからね。
そしたらなんと、「30×30~39×39がやりたい」とのこと。
(また家で自分自身も時間を使って勉強しなきゃいけないよ・・)
でもやる気があるのはいいことなので教えたら、次の日に合格。
結局その子は今週で~49×49まで終わりました。
どんだけ熱意とやる気があるねん・・
ちなみにその子というのが、以前記事でも紹介したルサーニ。
kyouryokutaimath.hatenablog.com
僕自身は、別に2乗の数を覚えること自体に必要性はないと思います・・(49×49とかいつ使うねん。筆算するわ!)
でも子どもが、「出来ないこと」⇒「出来ること」になるようにするための努力する過程にはとても大きな意味があると思います。
今回の場合の過程では、「どうやって暗記したらいいか」「家で努力して学習しなければいけないこと」「友達と共に学び合う」等々を子どもは学習を通して行っています。
なので出来るだけ鉄が熱いうちに打たせておくかと(笑)
でも僕にとっては2乗の数を覚えるのは意味がなく、自分の負担になるからやめてほしい(本音)
かといって子供が出来るのに、先生が出来ないと、盛り上がりに欠けますしね・・
ちらほら見返して、長期記憶として定着させようとしているところです(朝15分、夜寝る前15分やるだけで、ゆっくりと定着して来ますしね! 30分も使ってるやん 泣)
ーーー閑話休題ーーー
実は今年度から、「ライフスキル」という授業を持っています。
日本でいうならば、生活科・家庭科・図工・音楽・体育 全部を混ぜました~という科目。
テキストはこんな感じ。。
何が言いたいのかというと、座学でやる場合に とっても退屈・・
そして試験はかなり簡単で、LS(ライフスキル)を落とす子はいないです(断言)
なぜなら、自分の意見を書きなさい、あなたの良いところを3つ書きなさい という問題が多いので何を書いてても点数を上げやすいですし、 平常点も多くあげられます。
かといって、外(グラウンド)に行って遊ぶのは週1時間だけ(PEの授業は外で遊ぶ時間と解釈されています)と、校長からお達しが。理由は、中での授業に慣れるため。
まあね~。外に行って、ただ遊んでても時間が無駄だよね。
というわけで、この時間を僕的には、「いろんな遊びをやってみる時間」 と位置付けて、いろいろ試行錯誤しています。
①絵を描いて、以心伝心ゲーム!!
日本語でなんて言うんだろ??
子どもたちには、「Message Game」 と言っています。
最初絵を描く時間を1分でやったのですが、時間が足らなそうだったので1分半に。
子ども自身にも描きやすいものと、そうでないものがあるようで、ライオン・車とかは比較的皆が上手に描いていました。
皆さんもご存じだとは思うのですが、このゲーム、1番最初の人が1番重要。お題を正確に描かないといけないですからね。
でも最後まで行く間に、絵がどんどんと変わっていくのが、出題者からすると一番の楽しみです^^
このゲームは、子ども同士にも、友達の描いた絵を見ても良い時間を挙げると、すごく盛り上がります。
難しすぎて子どもが描けなくても面白くないので、15分くらいを使って2ゲームぐらいをやろうかなと思っています。
②じゃんけん列車
これまた日本でも有名なじゃんけん列車。
うちのクラスの子どもたちはじゃんけんを教えたので、こういうじゃんけんを使ったり、グループ分けが必要な遊びがやりやすくなりました。
うちの学校の問題は、男子は男子で、女子は女子でやりたがること。
どうしてそんなに別々で遊びたがるのかが、僕にはいまだによくわかりません・・
理由を聞くと、お互いの良くないところを並べ立てるし(笑)
子どもの頃、女の子と遊べる、男の子と遊べる というのは、ちょっとどきどきする&より楽しくなった 記憶なんだけどな~~
彼らも家に帰ったら、どうせ同性の友達と遊ぶのに・・
う~~ん。わからない・・
じゃんけん列車の欠点は、一瞬で終わってしまう事。
大人数でやるにはいいかもしれませんが、1クラス分ぐらいだとすぐですね。
あと、スピーカーが壊れてしまったのが、地味にキツイ・・
スピーカーがあると、小学校隊員としては活動の幅が広がるので本当に便利でした。
新しいの買ってもいいけど、どうしようかな~~
③BINGO!!
日本でも人気があるゲームBINGO!
誰しも一度はやったことがあるでしょう。
いまだにパーティーとかで使われることもあるぐらいですからね・・
キッカケは日本に帰った際に、家にあった出玉をガラガラするやつを見つけたため。
何かに使えるかもな~ と思って持ってきたものの、存在をほぼほぼ忘れていました(笑)
先日ふとした拍子に気が付き、使ってみようかと
ビンゴはルールも覚えやすいみたいで、子どもたちもすぐに覚えてくれました><
これのいいところは、たっぷりと時間を使えるところ。後、自分の労力も少なめ^^
マス目を書かせて、数字を書かせて、そっから球を1つずつ発表していく となると結構な時間を使います。
右端の彼、以前紹介したスポーツ大会で優秀な成績を収めた子です
kyouryokutaimath.hatenablog.com
学校ではこんな感じ。何べん、ペンを口にはさむなと言ったことか・・(泣)
何かを口にはさんでないと、落ち着かないのだろうか・・
ビンゴの良い点として、複数のクラスを合同でやるときに、人数の多さに対する体力の消費が少なくて済む&子どもも楽しめる
というのが、本当に助かるポイント。
2週間ほど前に、うちの学校ではワークショップ日和(他の場所に、教員が研修に行く)で完全に人手不足。
それでも生徒をコントロールしなければいけない際に、非常にお世話になっています^^
景品は、8円のスナック菓子1袋。これでも子どもはドキドキわくわくやっています。
どうか飽きませんように・・><
④Head, Shoulders, Knees and toes, knees and toes・・・
みなさん、この歌は知っているでしょうか・・
もしかしたら、子ども時代にやったよ~ なんて方もいるかもしれません。
Head Shoulders Knees & Toes (Sing It)
ここにも、Super Simple Learning と書かれていますね(笑)
おそらく本場では、幼稚園用の歌のようです。
うちの学校では小学5年生が楽しそうにやっています^^
こういう音楽系のいいところは、一緒に歌いながらできて、体の部位も覚えられて、体を動かすこともできること。
また飽きてきたらスピードアップ(1.25倍とか、1.5倍とか)することもできますね~~
⑤BINGO!
これは僕が子どもの頃にやった記憶があります。
同じように歌ったり、体を動かしたりするための歌。
僕の記憶にあるという事は、おそらく小学生のころに、学校でやったのだと思います。
歌詞もリズミカルで、子どもたちもとっても楽しくやれます。
昔は歌えなかったけど、今は歌詞を見て意味が分かるようになりました(笑)
ーーー今週の一考---
ーーライフスキルより、算数を教えて欲しい??--
ライフスキルの授業の話に戻りますが、
普段の算数の授業や、生活指導では「めっちゃ厳しい先生」なので、ライフスキルの時間は楽しむためのクラスだし、自分もテンションを上げて楽しもう♪ と思ってやっています。(現在6、7年生の算数。5年生のライフスキルを担当しています。)
ですが、この前、非常に考えさられる言葉を子どもから貰いました。
現在ライフスキルを教えている5年生のうち数人の子が、
「先生、去年みたいにまた算数を教えてください。」
と言ってきたことです。
これには正直面喰いました・・
え?? 俺授業中、あれだけ厳しく指導していたのにどうした?? 聞き間違えたかな。
と思いましたもん(笑)
だってこちらとしても、準備等負担になる算数がなくなって、プレッシャーが少ないライフスキルの授業を持つことは嬉しかったですし、子どもにとってもライフスキルの方が圧倒的に楽しい と思っていましたから。
でも数人の子どもは、「 I can't do math now.. Teacher, please teach us」と言ってくれました。
今は私に変わって校長先生が算数の授業を持っています。この前校長先生の補習で入った際には、「以前出来ていた子たちも四則計算があやふやになっている」ことを肌で感じました。
この提案にはかなり心を動かされましたが、もう残り半年。私が居なくなれば、彼らも校長先生の授業を聞いて出来るようにならなければいけない頃です。
それに算数&ライフスキルの授業を持つことになると、かなり負担が大きくなるのでそれはしたくありません。持つならどっちか。また現在は自分自身の勉強の負担もあると、負担が少ないライフスキルの授業を持つ方が、理には適っています。
もし校長先生の授業で出来るようにならなければ、そもそもそういう(チャンスをつかめる)星の下で生まれてこなかったのだ とも思います(可哀そうですが・・)
ここの小学校では、限られた才能を持ったごく数人の子どもが、未来に繋がる基礎を築くことが出来ます。
教師の質、学校の予算・施設。子どもへのサポート。
機会からして平等ではない。それが南アフリカ共和国という国です。
教育の重要性を理解し(多くの親は理解していますが)、お金がある家の親は子供を私立に入れます。これは本当に当たり前の概念で、公教育でも「ある程度の質」が確保されている日本とは全然違います。
正直ここでも何人もの保護者と会いましたが、ピンからキリまで様々です・・
親も子を選べませんし、もっと悲惨な事に、子は親を選べません。
教師という立場になると、「こんなにいい子で、きちんとした環境を整えてあげればすごく伸びるのに。」
というパターンを見かけることはよくあります。
でも誰も他人のことをコントロールして、自分の思い通りの道へ進ませることはできません。
先生としてただできるのは、見守ってあげること。そしてなるべく良いと思える環境を整えてあげること。
良い方向に誘導するのは難しいですが、悪い方向に行くことはある程度防ぐことが出来ます。
僕が数年後この場所に戻って来た際、「刑務所に入っている教え子がいる」なんてことになっても驚きません。全然あり得る土地柄です。
でも反対に、「とても輝くような才能を持っているような子が、限られた資源の中で、本人の能力を上手く伸ばしてくれたらな。」
という事も切に感じます。
彼らには、「自分を頼るしかない」という事を、より早くから意識してほしいです。
己こそ己の寄るべ己を置きて誰に寄るべぞ。
よく整えし己こそまこと得難き寄るべなり。
自ら悪をなさば自ら汚れ自ら悪をなさざれば
自らが清し。
清きも清からざるも自らのことなり。
他のものに寄りて清むることを得ず。
https://ameblo.jp/tenjin1226/entry-11977064311.htmlから引用。
お釈迦様の言葉だそう。
誰か、何かのせいにすることは簡単です。でもそれは自分の弱さから逃げていることでもあります。
自分の未来は自分の責任。それは僕自身に対しても同じことです・・
ー今週(2/16~2/22)の簿記勉強時間ー
20時間。辛い日もあったので、頑張れたほうかな。
来週プレトリアに隊員報告会で上がるので、来週は勉強時間が激減することでしょう・・
それではまた来週♪