青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~ワークショップに行ってきた♪~

 

どうも~月曜日担当のカオルです。

 

Gogogoでは今週の水曜日からテストに突入しました。

 

これが来週の金曜日(3/13)まで続き、その次の週はテストの集計と通知表の作成に費やされ、3/20に今学期が終わります。

 

 

 

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この大きさで小学5年生><

 

彼は英語の本(赤ちゃん用)を読んでいるのですが、それでもきちんと読めていなくてもう笑える笑える。子どものアホなミスは可愛くていいですね~~

 

 

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罰を受けていたため友達に先に帰られ、1人拭き掃除をする児童

 

1人は可哀そうかと思い、前の写真のチビ児童と本を読んで待っていました。俺も早く帰りたい。

 

ちなみに先週クラスの敷き布(子どもが教室で床に座る際に敷く大きな布)を洗わずに帰ったので、罰をくらっていたらしいです。自業自得なので庇いようはない・・

 

 

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テスト前の一コマ。本を一緒に音読(チベンダ語・・・)

 

テスト前は問題児を前に読んで、とりあえず何か勉強をさせています。放置しておくと勉強しないばかりか周りにちょっかいを出すので、こうやって一緒に何かをしてあげるのが一番なのかなと。

 

別に勉強のためではなく、周りにちょっかいを出させないためです・・><

 

 

 

 

閑話休題

 

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て、

 

今日は私が行ってきた、南アフリカ共和国の教員向けワークショップ(研修)について、「こんなことをやっていたよ」と、ご紹介させていただきたいと思います。

 

この教員向けワークショップは大体ターム1回につき、一度歩かないかくらいで行われます。

 

それぞれ教科や学年の括りによって行われます。

 

小学校において使われる括りは3つ。

 

小学校1~3年生(フォウンデーションフェイズ)

 

小学校4~6年生(忘れた・・・)

 

小学校7~セカンダリー2年生(日本でいうと中学校の括り。シニアフェイズ)

 

この3つの括りの中で、今日は4~6年生用の理科のワークショップがあるよ~ みたいな感じです。

 

これに僕もかり出されたというわけです。ちなみに僕が行ってきたのは、小学校4~6年生用の算数と、小学校7~セカンダリー2年生用の算数・数学のワークショップ。

 

ワークショップはボランティアなので別に行く必要性はない(本来、教員のためにやっているモノですからね)のですが、完全マンパワーなので行ってきました(というより行かざるを得ませんでした・・)

 

 

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大規模セカンダリー(中高)。学校全体で軽く1000人を超えます。

 

学校自体はとてもきれいなところで、テニスコートやきちんと整備された駐車場もありました。

 

 

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その中のいち会議室? を借りて、ワークショップが行われました。

  

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会場を外から撮影

 

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会場の様子

 

とても設備が整っている会議室で、プロジェクタースクリーンも常設されているようでした。

 

机の感じも大学の講義室のようですね。

 

ちなみにこの学校は、私の地区の公立セカンダリー(中高)の中で一番成績優秀な学校で、私の地域からもわざわざこの学校に通う子もいます。

 

(Matricと呼ばれる、高校3年生終わりの大学進級テストで、多くの子どもが卒業資格を得ることが出来ています。成績が悪いとこのMatricの資格を得ることが出来ません。Matric=高卒の資格だと思ってくだされば大丈夫です)

 

 

前にいる2人がサーキット(教育委員会?)から派遣されてきた講師の方です。

 

とてもやる気を感じさせる方達でした。

 

 

の流れとしては、

 

左からこのサーキット(地区)の生徒総数、算数において去年進級できる点数を取った生徒の数、最高成績(Level7)を取った生徒の数、パス率

 

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各学年のパス率と、Level7(点数80%以上)を取った生徒の数

 

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生徒のパス率(留年しないで進級した率)

 

見にくいと思うので説明させてもらうと、

 

南アの算数の問題点として、

 

80%以上(Aランク)を取った子が全体の4%未満

・Grade8と9における算数のパス率(40%以上)が低すぎる。Grade8⇒27% Grade9⇒30%

・これらの問題は小学校時点での学力の低さから来ていると考えられる

 

とのことでした。

 

また来年度(2020年度)目標として、

 

算数のパス率(40%以上を取る子供)をGrade8は27%⇒65%Grade9は30%⇒65%に上げる こととされていました。

 

なぜ65%が目標かというと、国として65%以上ならば、教育委員会が評価される際に目標達成と評価されるからだそうです。

 

それを達成するために具体的な戦略は・・

 

なし

 

いや、ズルしない限り達成できないでしょ・・

 

講師の方々は、生徒のやる気を出させて、先生たちもやる気を出してクリアを目指して欲しいとおっしゃっていました(笑)

 

ちなみに成績が悪い学校は、教育委員会からの監査人が度々訪れるよ♪ との脅しつきでした。

 

毎回ワークショップではこんなことをやって時間を無駄にしてるんだろうな~・・

 

 

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これはトピック(各テスト等)ごとに生徒の点数をパーセンテージで表してね♪ というもの。

 

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これは4タームで、評価を行うテストが何回あるかを示したもの。

 

大体1単元に2~3回、算数はテストを行い子どもを評価します。

 

日本では中間と期末、小学校のテストではそれ以外の観点からの評価が付きますが、南アではテストのみで評価を行います(しかし家に持ち帰ってやってよいテストもあるので、これが平常点として評価に加えられています。)

 

 

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これはどう点数換算を行うかというモノ。

 

例えばテスト用紙上では50点満点のテストが、政府の作った成績評価システムに打ち込むときには40点満点で評価してくださいということがよくあります。

 

30点/50点満点 ⇒ 24点/40点満点 となりますよね。

 

こういった計算が出来ない先生のために、どうやって計算するのかを教えていました(算数の先生は多くの方が出来ますが、他の科目の先生になると、得点換算出来ないさ先生もいらっしゃいます。)

 

 

こんな感じのことをやっていました。

 

これが朝8時半から昼の1時まで、約4時間半。途中30分休憩を挟むので、実質4時間ですね。

 

 

~~今週の一考~~

 

何のため、誰のためのワークショップ?

 

 

今回はこれを除いてもう一つワークショップに参加したのですが、いろいろな気づきもありました。

 

 

~良かった点~

 

・講師の方々のやる気があったこと

・4時間半の間に、きちんと休憩が間にあったこと

・若い先生の中には、PCをある程度扱える先生が居ることを知れたこと

・地区全体の情報を知れたこと

 

~悪かった点~

 

・ワークショップに参加している先生達のやる気の低さ

・講義自体の質の低さ(何の目的でやっているのか、誰のために役立っているかがわからない)

・講師の方の一方的なおしゃべりが中心であるにもかかわらず、役立つ内容が少なかったこと

 

 

こんな感じです。

 

 

「ワークショップを開くのであればきちんとした目的と、最後に参加者は何を得て帰ることができるのか」をもっと明確にしてほしかったなと思います。

 

 

ただ集まって、スライドを見て、講義を聞いて、現実不可能な目標を言われて終わりでは、参加する意味があまりありません・・

 

ワークショップをやる方々は、それに特化した仕事をしているのだから、もう少しクオリティーをあげて欲しいなとも思いました

 

もちろん現実的には難しい所もあると思いますし、文句を言うのは簡単なので、

 

個人的にこういったことをやる時に、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを、「誰に」から重点を置いてやっていきたいなと思いました^^

 

 

次からは開催地まで時間もかかるので参加したくないですが、今回のワークショップは南アについてまた知れる良い経験でした♪♪