ナミビア~活動の振り返り(現在17カ月目。残り4か月)~
明日はナミビア全土で大統領選挙!!
ということで,年度当初のカレンダーでは12月の始めまでだったはずの学校も,選挙前に終わらせないといけないという謎のルールにより,本日で今年度は終了しました。ただでさえ時間がないのに,たくさん内容が盛り込まれたシラバスを終わらせるために必死で授業をした3学期。きっと1ヶ月以上あるホリデー明けには,教えたことはほとんど忘れてるんでしょうね・・・なんてこった。
さて,今回はブログ内共同企画第8弾!活動の振り返りということで,今までGrade5とGrade6の算数,体育を教えてきた活動を振り返ってみたいと思います。
①自分がやってきた活動と成果
②活動をしてきて思うこと
③これからの活動に向けて
今回はこの流れで書いてみようかと思います。
ではまず,①自分がやってきた活動と成果
1.計算について
わたしの活動の目標は「基礎計算力の向上」でした。
なぜなら,いろいろな単元を教えていく中で,計算ができないと何もできない!!と痛感したから。どの単元でも,四則計算は基本なので,いくら理屈を理解しても計算ができないと答えが求められません。また,計算ができないということは,量感が理解できていないということなので,たし算をしたら数が増えるとか,わり算をしたら答えは割られる数より小さくなるとか,そういう感覚が身についていません。極端な話,20-5=50って書いてても疑わないわけです。
そして,6年生でも引き算すら危うい子たちもいっぱいいるわけです。中3でも九九を全部言える子は何人いるんだ?っていうぐらい。
そこで,毎時間算数の授業の始めの5~10分を使って,最初は20マス計算のたし算から始め,途中からは2ケタ×1ケタ,2ケタ×2ケタなどの筆算5問プリントに変え,とにかく毎回計算を少しずつ継続して行いました。昨日やったことも次の日にはきれいに忘れていたりするので,毎回筆算のしかたを確認してから。そして,2ヶ月に1回,簡単な四則計算のテスト(+-×÷それぞれ10問ずつ計40問)を行い,推移を見ていきました。
その結果
Grade5
Grade6
こんな感じで1月より平均点が上がりました。
なにより,文章問題や計算問題を解くときに,子どもたちの計算スピード,正確性が上がった気がします。かけ算が頭に入っていないとわり算が解けないので,わり算をもっと頑張ればよかった…と思います。
また,子どもたちは自分の答えを一切疑わず,テストやワークシートなど、一通りできたと思ったらすぐに机に伏せたり寝たりします。なので,授業でもテストでも口を酸っぱくして「答えを見直せ!もっかい全部計算して自分の最初の答えと確認しろー!」と言っていたんですが,そのおかげか,答えを見直したり計算し直して書き直したりする子もかなり増えたので良かったです。たまに,正解を間違えに書き直しちゃう子もいますが…。
2.教材作り
教材を1つ使うだけでも,子どもたちの興味の持ちようが違うので,毎時間何かしらの教材を使うようにしました。また,自分の教室を与えてもらえたんですが,その教室は昔理科室?として使われていたようで,準備室みたいな小さな部屋がついていたので,そこを教材置き場として使い,帰国までにどの単元でもここに来れば何かしらの教材が手に入るような場所として現在制作中です。先生たちに使い方を説明するようなワークショップもしたいと思っています。
また,算数によく出てくるような基本的な事項を壁面掲示として掲示しておくと,困ったときに子どもたちが確認できるのでいいと思います。
3.体育
算数に加え,Grade4からGrade7の体育も教えています。体育と言っても,7日で1サイクルの時間割に各学年1時間しかないので,週に1回もありません。テスト期間には授業がなくなるので,1学期に実質5回ほどしかありません。
今年度は,ドッジボール,キックベース,タグラグビーをやりました。この中で子どもたちが特に苦戦していたのがキックベース。普段ベースを使ったスポーツをしないし,日本のように野球がメジャーでもないので,ルールを知らな子がほとんどで始めは大変でした。また,体育は遊びだと思っていた子も多く,体育は他の科目と同じで,体育という一つの科目であって遊びではないとか,集合するときは並んで静かに聞くとか,そこから始めました。ルールを守ることが楽しさに繋がる!ってことに何人の子が気付いてくれたんでしょうか。
次は②活動をしてきて思うこと
まぁ,思うことはいっぱいあるんですが,一番痛感したのが,低学年の教育ってほんまに大事!!!!!ってことです。計算に関してもそうですが,学習の基礎を作る大切な期間に,どれだけしっかり積み上げられているかが高学年になってかなり影響しているなと思います。例えば,話し合い活動をしようとしても,話し合いをしたことがないから話し合いのしかたが分からない→賢い子が答えを書いちゃう→終わり。学習の場面で友達と協力することができない子も多く,気に入らないとすぐケンカしちゃう。ほんとに,低学年からの積み上げって大事なんだなぁと日々思っています。
あとは、ボランティアとしてどこまで頼まれたことをサポートするか。教材づくりや授業に関してなどの頼まれたことはもちろん喜んでやりますが、困るのが明らかに自分たちの仕事で時間にも余裕あるやろ!ってときに頼んでくること。例えば、片手にはコーラ、もう片手には校長の妹の子どもの手を引いて、ちょっと用事あるから教室行って座っといてくれへん?とか。最初は何でも頼まれたことはやってたんですが、残り4ヶ月こちらもやりたいことがあるし、本来の自分たちの仕事やろって思うことは最近断ったりもしています。楽するための便利屋さんにはなりたくないけど、いろんなことが起こりすぎて何が正しいのか分からなくなってきている今日この頃😂
最後に③これからの活動に向けて
今年度は5・6年の算数と体育を教えていましたが,毎年担当教科は変わるため,どの先生が学校に残っているか,どの先生がどの教科を担当するかは,1月に新年度が始まって少し経ってからしか分かりません。ナミビアのJICA事務所の方針としては,低学年のサポートに入って学力の底上げを図っていくということで少しずつ進んでいますが,どうなるかは分かりません。何年生を担当しても残り4か月頑張ろうと思います。
今年度最後の日に,1年間頑張った子たちへ,同期の作品をヒントに日本をイメージしたしおりを渡しました。
みんな喜んでくれて大事そうに持っている姿がとてもかわいかったです。
きっとこれからの人生そうそうないであろう1ヶ月以上のお休み。有意義に過ごしたいと思います。みんな元気でねー!!