青年海外協力隊 算数・数学ブログ

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ナミビア ~導入って大事~

お久しぶりです。今日は火曜日,どうもナミビアからこんにちは☀最近ナミビアは朝晩は少し冷えるものの,日中はかなり温かくなってきました。もうシャワーを浴びる時にお湯を沸かす必要もありません。太陽のおかげで,水を出してもぬるま湯しか出て来ない季節の到来です。

 

さて,先月のターム休みの間,同期が活動しているサーキットオフィスで,同期隊員主催の算数ワークショップに参加してきました。

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このワークショップでは,小学校隊員5名が集まり,現地の教員約30名に向けて授業方法の提案をしたり,日本の評価のしかたを紹介したりしました。今回はそのときのことについて紹介したいと思います。

 

今回のワークショップでは30分程時間をいただき,わたしは主に「導入の方法・工夫」について例を挙げながらプレゼンをさせてもらいました。

 

話した内容は大きく分けて4つ!4つの例を紹介しました。

 

1.写真や動画を使う。

 

2.実物を見せたり触らせたりする。

 

3.答えを予想させる。

 

4.ゲームを取り入れる。

 

日本では授業の始めに当たり前に行われている導入ですが,こちらでは導入に気を使っている先生はあまり多くはないように見受けられます。そこで最初はそもそもなぜ導入をするのかについて,今回はこのように話しました。

「子どもたちがその日何を学習するのかをはっきり知ることができる。」

「導入に興味が持てるとそのあとの展開に意欲を持ってスムーズに進むことができる。」

特に,2つ目は日本の子たち以上にそうだなぁと実感することがよくあります。なんかできそう!なんかおもしろそう!と感じた時の意欲はすごいです。反対にちょっと難しいと分かった瞬間諦めます。粘ることなく諦めちゃいます。まぁ,子どもってそんなもんですよね。ということで,子どもたちが「おもしろそう!やってみよう!」と思えるような導入をすることがとても重要になってきます。

 

それでは紹介した内容を写真と共に見てみましょう。

 

1.写真や動画を使う。

どの教科でもそうですが,説明をするよりも1枚写真を見せる方が何倍も分かりやすいことってありますよね。わたしはよくパワーポイントを使って写真を見せます。学校のプロジェクターは繋ぐだけで時間がかかるので,ノートパソコンの画面をそのまま見せていますが,意外とパソコンの画面だけでも十分です。

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写真は時計の単元の,アナログ時計とデジタル時計の時間の導入に使ったスライドです。ちょっとアニメーションを付けるだけで子どもたちは,おぉ!!ってなります(笑)

 

2.実物を見せたり触らせたりする。

これは特に重さや長さ,かさなど聞いただけではなかなかイメージが持てない単元で有効かと思います。実際には,1kgのパスタや砂糖の袋を持たせたり,日本の1円を持たせて重さの違いを感じたりしました。実際に体験するのは大事ですね。

 

3.答えを予想させる。

この方法はかなり使います。どの国でも同じような話を聞きますが,自分の答えに自信がない,間違えるのが嫌,でも〇はもらいたい…その結果カンニングする。この流れがかなりあったので,まずは間違えてもいいから自分の答えを持ちなさい!とずーっと言い続けてきました。そのため,答えを予想したり,自分の答えを持ったりすることはかなりしています。

 

例えば長さの単元の導入で,生徒を一人前に出させ,この子の身長はどれぐらいだと思う?と聞くと,130㎝!とか150㎝!とか身長を予想し始めます。そして自分の答えを持った上で,答え合わせをします。自分の答えと実際の大きさがどれだけ違うのか,そして予想が近かった時,合ってた時の盛り上がりがすごいです。

f:id:kyouryokutaimath:20190917193408j:plainワークショップでも,この先生の身長を当てるのに,子どもを演じてくれた結果なのかどうなのか,予想に1.2mから1.8mまでの開きがありました。結果は1.7m。予想が近かった先生は嬉しそうに盛り上がっていました。

 

もう1つの例では,1~10の数字カードを黒板に貼り,それを3つのグループに分けて貼っていきました。このように。

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  グループAは1だけ,グループBには2.3.5.7,そしてグループCには4.6.8.9.10と何も言わずに分けていきます。先生たちも,え?どういうこと?なんでこんな分け方してんの?!という感じでした。そこで,隣同士で話し合う時間を5分取り,なんでこんな分け方になっているのか相談してもらいました。少しずつ勘のいい先生たちは,あれ素数ちゃう?ってな感じで気付いてくれる先生もいれば,結局分からない!っていう先生たちもいました。話し合いが終わった後に,何グループかに話し合いの結果を発表してもらいました。少しだけですが話し合い活動を体験してもらえたかな?と思います。自分の予想を持つことは理科でも大切ですね。

 

4.ゲームを取り入れる。

4つ目は,みんな大好きゲームです。今回紹介したのはフラッシュカードを使ってするリズムゲームです。今ちょうど時間の単元をやっていますが,1時間は60分とか1週間は7日間とか,時間の単位がたくさんでてきます。たくさんある単位をゲームを通して覚えてもらおうと考えたのがこれ。古今東西リズムゲームです。

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こんな風に,AとBに分け,クラス全体も一番前の右から順にあなたはA,あなたはB,A,B,A,B…という風に2つに分けていきます。Aの人はAの欄からどれでも自由に1つ選び,Bの人は言われたものに対応するものを答えます。例えば,Aの人が1hourを選んだら,次のBの人は60minutesと答えます。これを古今東西ゲーム(またの名を山手線ゲーム?)風に,拍手を挟んで止まらないように続けていきます。クラス1周できたら,次はAとBを交代したり,Bの欄のカードを外していって難しくしたりします。ゲームとなると必死で覚えようとするので,導入にゲームを使う方法もおすすめです。

参加者の先生たちも子どものようにウキウキドキドキしながら楽しんでやってくれました。ゲームの始めに先生が「Let's start rhythm game!!」そして子どもたちが「Yeah-!!!」と返す掛け合いもとても大事です!このYeah!が小さかったら仕切り直すぐらい大事!!笑

 

こんな風に,導入のしかたもいろいろあるよ,ということをワークショップで伝えました。振り返りのコメントでは,導入のしかたを工夫してみようと思ったとか,教材を使って導入をしたいと言って下さったので,少しでも導入を工夫して,その結果ちょっとでも算数がおもしろいな!と思ってくれるナミビアっ子が増えたら嬉しいです。

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このようなワークショップを企画してくれた同期に感謝!お疲れ様でした。