青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~子どもの何を伸ばすべきなのか~

どうも~ 月曜日担当のカオルです。

 

今週は首都のプレトリアで隊員報告会(南アでは年に2回ある、自分の活動を報告する会)がありました。

 

なのでほとんど任地にはおらず、ただでさえ先生の人数が少ない中、他の先生に迷惑をかけてしまったので、これからまた頑張りたいと思います!(とはいってもテスト週間が始まってしまいましたが・・)

 

 

近、G6の子(クラス担任ではないが、去年半年間クラス担任をしており、今でも算数を教えているクラス)から2件ほど、手紙? を貰いました

 

一人は、宿題プリントにわざわざ「Please look!」と書かれており、普段宿題をあまり出さない女の子&前日にそもそも宿題を出してないのにわざわざ自分で問題をプリントに書いてきた ということはかなり読んでほしかったのでしょう・・

 

 

読んだ時に授業終わりでだいぶ疲れていたので、内容を正確には思い出せないのですが、

 

「Teacher, when you're happy, I feel happy. But I feel so sad when you are angry.Teacher please be happy. I want you to be happy every time, my teacher」

 

「先生、あなたがハッピーだと私もハッピーになります。でも先生が怒っている時、私はとても悲しいです。私はいつも先生にハッピーでいて欲しいです」

 

こんな内容。実際の文章は×2ぐらいありましたが、ここが印象に残ったので、だいぶ疲れていながら流し読みしましたが、このパートは覚えています><

 

 

う一人の女の子は手紙形式

 

 

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LoL って英語だと、Lough and Loud (日本でいうところの 笑 )みたいな意味なのですが、Loveと書きたかったけど恥ずかしくてLoLにしたのか、笑笑笑(からかってるのか・・?) みたいな意味なのか不明・・

 

 

きちんと紙粘土みたいので軽く封がしてあって、中々の凝りようで驚きました。前にうちの学校にいたアメリカンピースコーが帰る際に、クラス全員から色紙を書いて渡したのですが、私が色紙を封筒に入れた後、シールで封をするのを見ていて真似したのかな・・?

 

前日にあんな手紙を貰った後だったので、先生あんまり怒らないで>< みたいな内容かと思いましたが・・

 

 

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これがG6(6年生)の真ん中レベルぐらいの子の英語の文章だと思って読んでください。いや~、これだけ書けるようになったのでも、去年から比べるとマシになりました 泣

 

「Dear. Kaoru

How are you, Mr. Kaoru? I want to say think(ほんとはthank) you. Teach me Math. Now I'm good at Math. I can do Math good. You are the good teacher, Gogogo. When you go, we will miss you. If you go, I will cry. I love you than my mother. Because you teach me Math, but now I'm good!! Thank you.」

 

 

「カオルへ

お元気ですか? あなたにありがとうと言いたいです。算数を教えてくれて、算数が得意になりました。あなたはGogogo(小学校)の良き先生です。あなたが帰る時、私たちはあなたをmiss(恋しく)思います。あなたが帰ってしまうなら、私は泣くでしょう。あなたをお母さんよりも恋しく思っています。なぜならあなたは私に算数を教えてくれて、私は今とても得意だからです。ありがとう」

 

 

こんな感じ。2日連続で違う子から貰ったので、おそらく子どもの流行か何かあったのかも? しれません(以前にもありました)。

 

ですがこの凝りっぷりは面白い(に文字を書いている)

 

 

の二人から手紙を貰って思うことは、

 

かなり普段厳しく接しており、態度・礼儀、教室の外に授業中に出てくるな と色々な事にうるさいが、子どもなりに聞こうとしてくれている(子もいる)こと が再確認出来たこと。

 

でも、自分の中で、やっぱり厳しく指導する回数を減らした方が良いのか未だに迷う事・・

 

かといって いつもハッピー っていうのは、指導する立場から難しいでしょ 泣。時には厳しく言わないといけないし・・

 

 

 

「先生」という仕事は、自分なりに多くの悩みを抱えています

 

私には残念ながらなりたい先生像 というものが見つからないまま協力隊に来てしまい、協力隊に来た後も、お手本となる学校の先生方が見つからないまま過ごしています・・。そして自分の中でも、未だに「こんな先生になりたい!」という明確なモノがなく子どもを指導しています。

 

来た当初は、子どもの学力を伸ばそうと必死に指導していました

 

朝学習、放課後学習、他の先生が授業をやらない際に、算数の授業をやって遅れを取り戻す。

 

そうやって半年以上を過ごしました・・

 

しかし9カ月がたって、壁にぶち当たりました

 

この子たちは自分が一生懸命に自分の時間を割いて教えたら、確かに少しずつだが伸びる。

 

でも学力が低い子はどうしても壁に当たって、朝学習(30分)・放課後学習(1時間)ぐらいの時間では、家で勉強しないので、出来ないことを克服できない。また一部どうしようもない子たちもいる。

 

出来る子の中でも、算数の内容が難しくなってくる中で、もともと自分で先生に聞く、自分から勉強する という習慣がない子たちにとって、厳しい面も出始めてきた。

 

自分が毎日残って、出来ない子を呼び出せば子どもも出来るようにはなるが、それを全部の学年でやっていると、自分の身も持たなくなってくる・・

 

 

文章題のように、子どもの英語力がつくのを待たなければいけない壁(とにかく時間が必要)もある・・

 

どうせやっても、この子たちの何人が大学に行けるレベルまで学力がつくだろうか(自分が居なくなった後も、継続的に努力して勉強を続けられるか)。

 

 

そう思って、めちゃめちゃ意欲をそがれた時期がありました(肉体的なキツさもあり)。

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

ちょうどこの記事の頃ですね。授業を始めて9か月ぐらいの時点での、Gogogoに対する悩み・不安が爆発しています><

 

今見るとふふふっ となりますが、当時はとてもつらかった時期でもありました。

 

いや~ 懐かしい。

 

でもこの時に漠然とですがやりたかったことを、今は体現できていると思います。それはシンプルにうれしいですね^^

 

その節はいろんな方に電話をして、愚痴を聞いてもらって、アドバイスをしていただきました。本当にありがとうございました。

 

 

 

結果任地に来て10か月後ぐらいに自分の中で決めたことは、

 

 

・何が何でも学力を伸ばすという考えに固執しない(伸びたらいいなぐらい)。

学力以前に礼儀や、態度といった点をのばしてあげるようにする。

・表現力やエンジョイするという場を設けてあげる。

・学力においては、その子の出来てない、苦手なことを出来るようにすることよりも、得意or好きなことを伸ばしてあげられるような環境を作る。

・学級活動やクラスづくりに力を入れ、子どもたちが自分たちで考えて行動出来たり、自分たちで何かを作り上げる。チームワークを使って何かをする という活動を体験できるようにする。

色々な事を経験できる機会を提供してあげる。

 

 

特に「教員の仕事は学力を伸ばすこと」という考えから抜けられたことで、だいぶ気持ちが楽になりました・・

 

今では「自分の仕事は子供を成長を助けてあげることであって、結局は本人次第。」 と思いながら、時に成長を待ち、時に怒りをこらえ、時に言葉を選び、時にこの子はどうなるのだろうか・・と思いながら、 子どもと接しています><

 

まあ、まだまだ暴発しちゃうことはあるんですけどね><←

 

 

まあそんなわけで、

 

 

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ミスター&ミスコンテストのリハーサル

 

こういう企画運営も子どもたちに運営をやらせてみたりしながら、日々を過ごしています

 

自分たちで問題を作らせ、係りを分けて仕事を分担し、自分で考えながら動く。

 

 

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仕事をグループで分担

 

 

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別の機会では別の役割で。

 

 

そういう訓練が後々役に立ってくると、こっちの大人たちの無計画性を見ていると信じています(笑)

 

 

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こうやって、多くの人に見られながら話すのも要は慣れですからね><

 

「頑張って話せた!」とか、「みんなから拍手してもらった!」 っていうのは自己肯定感にも繋がって、次もやってみよう♪ って思えると思いますし^^

 

実際、やるたびに子どもたちは上手になって行って、見ていて嬉しく感じます!

 

 

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G7からのダンスの披露中

 

こういったダンスも子どもと一緒に考えながら作っていきます。

 

放課後残って「どういうダンスにするかを考えたり、どうやったら見て栄えるか、周りも簡単に覚えられるか」 とかに時間を使うよりは、自分のために時間を使いたいな~ と思ったりもしますが、子どもたちにとっては僕がやる授業なんかよりよっぽど覚えているんでしょうね(笑)

 

なのでこういう「ダンスを考える」 というのも訓練だと思う(いろんなダンスを知っていると、新しい動きも考えられるようになってくる)と、思っているので、11月末に開こうと思っているMr. &Ms コンテストに向けて一緒に練習しています。

 

実際、ダンスをやったことがある子たちは、新しいダンスを覚えるスピードも、やったことがない子たちと比べて早いです^^

 

 

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読書の時間も継続中。

 

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読書後には、整理整頓を自主的にやってくれる子も出始めてきました><

 

この「自主的に」というのはとても嬉しい!

 

日本だと、先生を積極的に手伝いたがる謎の子ども(当時の自分からしたら)がいますが、こっちの子は言われたらやりますが、言わないとやらないことが多いです・・

 

ですが、「本の立場に立って考える」 とか、「綺麗に整頓することに快感を覚える」とかを知り始めると、こういう子どもが出てきてくれたりします。

 

とても嬉しいですね^^

 

 

 

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本を参考に、お絵かきをする子も

 

この絵を描いている子は、5年生段階で 2 又は 3回留年している&体も大きい、いわゆるクラスの問題児でした・・

 

学校もちょくちょく休むので、おそらく何かしらの病気もあるのだと思います。

 

しかし彼が得意な事もいくつかあって、①絵を描くのが上手い(才能)②年上だからか、みんなの前でも物おじしない(ダンス等を踊れる)③体が大きい分、スポーツとかは得意。

 

この子はいわゆる本も好きではないので(英語が読めない)、読書の時間もただ座っているだけ&おしゃべりで妨害をする というパターンが多かったのですが、本を参考にしてノートに書いてみたらいいんじゃない? と言ってみたら一変、今では休み時間でも本を見ながらノートに絵を描いてたりします。落ち着きも出始めてきました!!

 

指導が全部、こんなにうまく行くわけじゃないですけど、指導が上手く行ったときは、その子が学校で退屈しない&みんなからのリスペクト(尊敬)も獲得できるようなことが出来たようでうれしいですね!

 

 

後に6年生のわんぱく坊主の写真を・・

 

 

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彼はこの後、

 

①持ち主の先生に無断で修正液を使ったこと、

 

②修正液を共有物である机と本にこぼしたこと、

 

の2本立てで説教され、共犯者と一緒にゴミ拾い&修正液の掃除をすることになります・・

 

 

まあ小学校教員にありがちな、毎日がやがやとして落ち着かない環境ではありますが、時に落胆しながら、時に幸せを感じながら喜怒哀楽とともにやっています!!!

 

  

ではそんな感じでまた来週♪