青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~とても悲しい現実(盗難)~ #途上国#協力隊

 

 

どうも~ 月曜日担当のカオルです

 

現在小学校教員の青年海外協力隊員として、南アフリカ共和国に派遣されています

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

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現地の先生の英語の授業風景

 

この授業では生徒1人1人に会話文が載ったプリントを配って、先生が指名したペアがそれぞれの登場人物に分かれて会話文を読むという形式です

 

いいやり方だとは思うのですが、60分それで終わっちゃうのはちょっともったいないかな。でもこの先生は結構きちんと授業には来てくれるので助かります

 

一応、みんなプリント見てますよね? このクラスの雰囲気を作るのに8か月かかりました・・ 

 

ほかのクラスだと明らかに集中してない子がちらほらいたり、中には急に立って歩き出す子もいます><

 

まあこの学年の5年生は僕の担任のクラスでもあるので、後ろに担任が控えてる恐さもあるのでしょうが(笑)

 

 

 

 最近女の子の間で流行っているのが、

 

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最近の女の子の流行り。着せ替え人形

 

着せ替え人形。型紙で人間のボディーを切った後、ノート用の薄い紙で洋服を切っていきます。洋服もこれはパジャマ、これは水着 と分けてあるそうです

 

そんなことを説明してくれる子に、「いやお前もう12歳でしょ・・」と、昔だったら突っ込んでいたのを我慢しつつ、これは何の服ー それ来てどこに行くのー おおー色塗ってみたらもっときれいになるんじゃない? とか言っている毎日です(笑)

 

うちのクラスでは先生が来ない際、騒ぐのではなく、何かをすることを推奨しています。算数プリントをやるなり、本を読むなり。紙を切って工作するなり。ノートに絵を描くなり。

 

結構女の子はこの政策で静かに何かをやってくれるようになりました。問題は家から何も持ってこない&落ち着いてられずに騒ぎたくなる男子。もし塗り絵セットみたいのでも親が渡してあげたら、この子も集中できるし、クラスも落ち着くのに・・

 

 

 

は、基本自分の担当している授業がほかの学年でない時は、自分の担任しているクラスにいるので、宿題・プリントの丸付けとかも基本自分のクラスで行います。もちろん職員室で行った方がリラックスは出来るのですが、子どもに「常に先生がいる」というプレッシャーを与えることが出来るのと、算数では活躍してない子を、今日は〇〇の授業で手を挙げて発言してたね! 答え当たってよかったね! とかアドバイスすることが出来るので。最近、現実の学力を直視しよう方針から、とりあえず褒めよう方針に変わりつつあるかもしれません・・

 

 

たほかの先生の授業に参加していると、「ああ、そういうやりかたがあるのね」と気づくこともできます。この前、アメリカンピースコーが、授業中に下を向いて手遊びをしている子に対して、

 

「Hey, Satomi. To be honest, your eyes are so nice. But if you look down, I can't see your beautiful eyes, right?」

 

「さとみ。本当に君の眼はきれいだね。でも君が下を向いてたら、先生は君のきれいな目が見えないでしょ?」

 

と注意するやり方を見て、これはいい注意の仕方だな と思いました

 

僕の場合、

 

「Hey, Tooru. Why are you so moving today? Concentrate on the class. Today is ( you are )moving moving moving! Are you a monkey and coming from a mountain? Where is your mountain! If you want to interuput others, go back to your mountain!」

 

「おい!とおる。どうしてそんな動いてんだ?授業に集中しなさい。今日は動いてばっかりだ!お前は山から来たモンキーか?どこがお前の山なんだ?もし誰かを邪魔するんだったら、お前の山に帰るんだ!」

 

というやり口で注意することが多いので、いわば下品な注意の仕方ですね。「そんなに動いてるってことはトイレに行きたいのか?ん?」と注意することもありましたし。まあ子どもに対する時の言葉遣いは教育実習中から言われていた(小中ともに)ので、客観的に見て先生が使うべきじゃない言葉遣いを使っているのでしょう。言語が英語になっても変わってない 笑

 

ピースコーの注意方法いいですよね

^^ 

 

そういえば、うちの学校の子どもにはペンを舐める癖があります。何かを口に含んでいたいんでしょうね。でもボールペンの中の芯(インクの部分)を抜き取って、プラスチックの部分を噛み噛みするんです。あとはペンの持ち手を舐めたりとか。健康にも悪そうなんですが・・

 

これも良く、「Don't eat your sweets. Are you so hungry? Are you a cow?」「キャンディーをなめない!そんなにおなかが減ってるの?牛かな?」

 

とこれも少し下品な感じで注意し続けていたのですが、最近ペンを舐める癖がある子が減ってきました。それは良かったです。こちらでは大人になってもペンを口に含んでたりする人とかいますから。「私のペン使う?」って、いや使いたくないよ(泣)

 

 

 

閑話休題

 

 

今日は最近実際に起こった、悲しいゴゴゴの現実について書いていきたいと思います・・

 

 

 

ゴゴゴ小学校では、毎週金曜日、各クラスの一斉掃除が行われます

 

その様子の一部は過去記事で

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

 

職員室もこの時、子どもたちによって清掃、モップがけ、ワックスがけが行われます

 

 

事件が起こったのは8/2の金曜日

 

全教室ともに掃除が終わり、さあ帰ろうとなったところで

 

「教頭先生が職員室で充電していたスマートフォンがない」という騒ぎになりました

 

みんなで探すも見つからず・・

 

すると校長先生が

 

「誰も職員室にいなかった際、エンゲ(子どもの名前)が職員室に入って何かをしていた。何をしているのか聞いたら、ノートを探してると言っていた」

 

と言い出しました

 

でも結局ノートなんて職員室になかったし、奴が怪しいということに・・

 

 

僕はひどく悲しかったです

 

「冤罪」じゃないのか と・・

 

ただ子どもが1人で職員室にいて、その時に物がなくなった

 

ほかの誰かが盗んだ可能性もあるし、先生がなくした可能性もある(モノを自己管理できないので普通にあり得ます)

 

 

その子が友達と一緒にどこかからか返って来た途端、一斉に先生たちが糾弾し始めました

 

「お前がとったんだろ!」

 

「どこに隠したんだ! 早く持ってこい!」

 

「お前しか職員室にあの時いなかったんだ!」

 

こんな感じ

 

女の子は泣き出し始めました・・

 

「取ってないよ! どこにあるかなんてわからない!」

 

もう号泣

 

そのあと先生方に職員室へ一人で探しに行かされたので、「この子が取ってるわけがない」 と思った自分だけ、その子と一緒に携帯を探しました

 

ちなみに学力的には良くできる子です。ピースコーによると授業・礼儀態度は良くないそうですが、それはGrade7全般(日本でいう中1だが、実年齢はもう少し上)に言えることなので

 

職員室で探している時点でもその子は泣いていて、

 

「先生たちはモノがなくなったらいっつも私のせいにする。私は取ってないのに!」

 

と言って泣きながら探してました・・

 

僕もあんなに批判されてかわいそうに と思い、一緒に探しましたが見つかりません

 

その日は結局見つからず終了

 

どうなるんだろな~ 月曜日 という感じで自分は考えていました

 

 

 

して土曜日にピースコーの家に言って色々と話をしていたら、後日談が・・

 

先生たちは結局、事件の後、彼女の家に行って家宅捜索をしたそう

 

そしたら、ソファーの隙間から、先生の携帯が出てきたそうです

 

 

 

もうね・・  本当に悲しい

 

 

 

どうしてなんでしょうか。そういう事をしてしまうのは

 

人のモノを盗って、どうしてあんなに涙が流せるのでしょうか

 

どうして「私は盗ってない!」と堂々言えるのだろうか

 

 

先生たちは確信があるかのように、携帯がなくなった際、彼女を責め立てました

 

僕もピースコーも、まさかそんな疑われるような状態で人のモノを盗ったり、それにお畏れ多くも教頭のモノを盗ったりしないだろうと思っていました

 

僕はゴゴゴで2度子どもからの盗みにあっていますが、まあ小さなものです(シールとか、色つきの輪ゴム)

 

しかし今回は携帯ですよ。しかもGrade7(最低でも13・4歳)が・・

 

 

僕とピースコーは、先生方がエンゲ(盗んだ子)を責め立てている間、先生方に「彼女は盗ってない! という反論はしませんでした

 

僕的には彼女は普段教えていない生徒ですから、普段の行動を知らない。だから庇いきれないというのがありました。教えていて、そんなことをする生徒じゃないと思ったら、きっと庇っていたでしょう

 

ピースコーは携帯を探している間、彼女が本当にやったとしたらストゥピッド(馬鹿)だとしか言いませんでした。何故なら疑われる状況下でやったわけですから

 

そしてそんなストゥピッドな事もやりかねない というのもあり、特段弁護はしなかったのでしょう(彼女は良くmisbehave(良くない振る舞い)をするとも言っていましたし)

 

加えて 彼らの盗みの手口はあまりにも単純すぎて、それはばれるでしょ(笑) という盗みも僕は経験していましたから、やりかねないとは思ってました

 

でもそれ以上に、子どもをあれだけ糾弾する大人に嫌悪感を感じたというのも大きいです

 

でも結果は明白

 

彼女が盗んだのです

 

 

ピースコー曰く、もしかしたら恨みもあったのかもしれないと言っていました

 

 

んでも2週間前ぐらいに、彼女(エンゲ)がボーイフレンドに会いに行くために学校を休んだことに対し、教頭がクラスの授業中に叱ったらしいです

 

ボーイフレンドに会いに行くために学校休むって・・ 泣

 

ボーイフレンドも学校休んでるんかい(笑)。ちなみに後で聞いた情報によると彼氏は高1。中1と高1のカップルですか。おそらくお互い実年齢はもっと上。いや、まじで子ども出来るんじゃない?

 

 

ですが笑えないのがゴゴゴの現状

 

ピースコーが2年前に来た際には、7年生ですでに自身に子どもが2人いる女生徒とかも居たそうです

 

彼氏コンドームつけろや 怒

 

ボーイフレンド云々はまあいいですが、それが理由で勉学をやめなきゃいけなくなってしまう女の子たち

 

もちろん彼女たちに責任もあります。そしてこれがエイズが広がる原因でもあります

 

 

 

この記事を読んでくださったみなさん

 

携帯をお金に換えられるの? と思いませんでした?

 

ピースコーの友人が、ある男に会いました

 

その男は見るからに高そうな、金ぴかの時計をしていました

 

どこで手に入れたのか? と聞くと、

 

「俺は何でも手に入れてやる。何か欲しいものはあるか」

 

と聞かれたそうです

 

この地域では何か欲しいものがあって、それが買えなければ盗んだものをお金に換えることが可能 なのです

 

彼らは生活のために盗むことはほとんどないです

 

自らの欲望のために盗むことが、私の知っている範囲では悲しいことに多い・・

 

そして社会的な制裁があまりきつくないように、私は感じます

 

なんだろう。盗むのは良くない。以上。みたいな(笑)

 

それに先生たちは外部からきている人間なので、そこまで強い親近感がないのも原因なのかもしれません。同じ村の身内を庇う的な。

 

 

ちなみに彼女は月曜日に学校には来ませんでした。ですが教頭はほかの生徒を派遣して、彼女に学校に来るように説得させたらしいです

 

う~ん。俺にはよくわからない考えただな・・

 

キリスト教の赦す(forgive)という考え方が、影響しているのでしょうか

 

教頭曰く、私は親だから親の気持ちがわかる とのこと

 

でも年齢的には、ほぼ高校生ですよ? 僕には良くわからない・・

 

ちなみに彼女は、自身が5年生の時に校長先生の200ランド(約1600円)盗んでいるので、初犯ではありません

 

 

この後Grade7は職員室出禁になり、代わりにGrade6が掃除を担当することになりました。校長先生曰く、彼女はひどく汚染されて、もう救いようがないと。そしてG7は早く中学校に行ってほしいと。

 

南アだと、She is spoiling others or She is spoiled と言います。なんか不思議な表現

 

教頭と校長でも考えが違いますね~ 教頭は女性、校長は男性なので、男女それぞれで考え方の違いもあるのでしょうか

 

 

何はともあれ、この地域の現実を久しぶりに思い出させられました

 

 

自分の担当している生徒には、学力よりも、態度・情操教育に力を入れていこう

 

働いていて感じるのは、学力云々の前に子どもの態度の悪さに辟易することです。日本の子どもは礼儀正しさを強制されすぎているのですが、こっちの子はされなさすぎ・・ 学力が低いのは良いのですが、態度の悪さも職業を得るうえでマイナスポイントですからね

 

 

 

そう改めて思った日・・

 

 

最後に幼児で癒されましょう

 

 

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ではまた来週♪