青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~小学生の中学校訪問~

どうも~ 月曜日担当のカオルです(2019年11月4日)

 

 

南ア、ワールドカップ優勝おめでとう!!

 

FBには挙げましたが、自宅で大家さんと、その娘さんと一緒に見てました~

 

南アはまさにビースト といった、パワーとパワーのぶつかり合いの試合でしたね><

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

日は10/9に行った、中学校訪問について(かなり後になっちゃったけど><)。

 

 

うちの小学校から山道を歩いて30分のところに中学校(Vele Secondary)があります。

 

ここはアメリカの超有名な 実業家兼篤志家である オペラ・ウィンフリー(女性実業家)の寄付で建てられた中学校で、とても施設は整っています。

*Wiki(オペラ・ウィンフリー)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC

 

 まあ僕はここに来るまでは名前知らなかったですけど・・

 

 

子どもたちはここに朝から最後まで滞在。色々なことがあった1日でした。

 

 

全体のスケジュールとしては

 

6:50 小学校集合

7:20 中学校正門集合(小学校から徒歩移動)

7:30 グループごとに各教室へ(授業見学)

9:30 休み時間(給食)

10:00 グループごとに各教室へ(授業見学)

12:00 休み時間

12:30 施設見学スタート

13:10 キャリアについてのお話

13:40 ゴミ拾い

14:00 解散

 

といった感じでした。

 

 

僕の携帯が壊れたり、中学校の校長先生との連絡が上手くつかなかった関係で、当日までプログラムの細部までは詰められなかったり、食事をどうするか話し合えなかったりしましたが、まあなんだかんだ何とかなりました(笑)

 

写真はほとんど撮ってないのですが(ほかの隊員からお借りした代わりの携帯を使っていたので)、子どもにとってはほぼ1年後に自分たちが実際に行く学校を見られて、良い面も悪い面も知れてよかったと思います。

 

キャリアについての中学校の先生からのお話も、普段考えることが少ない将来の仕事について少しでも考えられる良いきっかけになったらなと。

 

今回訪れた子たちは小学6年生なのですが、まだ来年も小学校にいます(南アの小学校は7年制なので)。しかし、早いうちから自分の近い将来を知っておくというのは、遅すぎることはないと感じ、今回このような中学校見学プランを作ることにしました。

 

来年度には今の5年生にもやって欲しいなと考えています(来年の6年生)>< 

 

 

 

 

の日(10/17)、算数の時間の一部を使って、子どもと振り返りを行ったのですが、

 

中学校の良い点

 

・コンピュータールームがある

・立派な図書館がある(蔵書はそんなにないけど笑)

・施設見学が良かった

・職員室は整理整頓されていた

 

中学校の悪かった点

 

・教室が汚かった

・生徒が食べ物を投げて遊んでいた

・授業中におしゃべりがひどかった

・帽子(又はフード)を生徒が授業中にかぶっていた

・生徒が授業中に食べ物を食べていた(食べ物を買いに授業中に出かけに行った)

・先生が居ないと遊んでいた

 

 

中学校でハッピーだったこと

 

・生徒が席に座らせてくれた

・ご飯をもらえた(中学校のご飯をわけてもらえた)

・授業を見ることが出来た

・先生たちが優しかった

・優しくしてくれる生徒もいた

 

 

中学校でアンハッピーだったこと

 

・生徒がからかってきた

・生徒に叩かれた

・生徒が教室の中に入れてくれなかった

ゴミ拾いをしているときに2階からゴミを投げられた

・先生に怒られた(僕に)

・PCに触れなかった

 

 

などなど。

 

全体的に、中学校の先生方や施設は良かった。そこにいる生徒たちは良くない人もいた みたいな感じですかね。

 

結局どんなに良いものがあっても、それを使う人間がどんな人かで、全然変わって来るっていう問題。外側じゃなく、中身だと。

 

うちの小学校でPTAの会長をやっている方は、どうして子どもを町の私立に行かせないの? と聞いたとき、こう言っていました、

 

「Gogogoよりもいい学校はたくさんある。でも私立に行かせると、子どもは遠くに行かなければいけないので、目が届かなくなってしまう。環境が悪いのは問題だが、結局は本人・家庭の問題でもある。だから俺は自分の娘をこの小学校(Gogogo)に入れているんだ。そうしたら家庭で教育はできるし、彼女が現時点で学校の勉強で苦労しているという事はない。俺の兄弟もみんなここの小学校出身だが、悪くなっている奴は一人もいない。」

 

ごもっともな意見です。

 

ですが子どもにとって、先生や親よりも、周りにどういう友人がいるか という事が大きな環境要因となって来るとも思います。親が彼みたいにしっかりしている人ばかりだったら問題ないのですが・・

 

 

 

戻って、私が中学校に対して持った印象の中で、

 

特に教室の汚さと、生徒の秩序だってないクラスの多さは、自分の生徒がこの中学校に行ったら悪影響(Spoil)を受けるだろうな~ と思い、心配になりました(自分を律せられるほどの子たちではないと思うので、先生からのサポートが絶対に必要だと僕は思います><)

 

 

唯一、Grade11の進学クラス(2クラスあり、1クラスは大学を目指す子用。もう一つのクラスは短大や専門学校を目指す子用)だけは落ち着いた雰囲気で、生徒の多くも先生が来る前から自習しているなど(特に女生徒)、良い雰囲気だと思いました。

 

それまで退学しないでこの学校に居続けられるか。それも大事になってきますね・・

 

 

f:id:kyouryokutaimath:20191018030309j:plain

PCルームでキャリアについてのお話を聞いている時

 

多くの先生方にご協力していただきとても感謝しています。また食事も中学校から分けてもらったので、次回行く際はこの点は何とかしないとなと・・

 

 

 

後に僕から見て良かった点と悪かった点も書ければと思います。

 

*良かった点*

 

・小学校の子どもが中学校の生徒に比べてとても礼儀正しく、秩序があったこと

 

もちろん日本の子どもと比べたらまだまだですが、初めの頃の彼らを考えたら想像もできなかったぐらい、礼儀正しくできていました。

 

欠伸をするときは口を隠す。立つときはポケットに手を入れない。教室でおしゃべりをしない。

 

もちろん普段と違う環境、緊張感があったのもあるでしょうが、それにしても頑張ったと思います(もちろん守れていない子もいますが笑)

 

ですが、Thank you, Sorry を言う点。特にありがとうに関してはまだまだ適切に言えてませんね。まあこれを機に少しずつ良くなっていければと思います(ですがこの点に関しては家庭教育の差も大きいと思うので、全体的に教育レベルが低い家庭だと、礼儀教育が疎かになってしまうという可能性はあるのかもしれません・・)

 

 

た、図書館で休んだ後に、施設見学のため移動する場面があったのですが、その際椅子をきちんとしまう子がいました!!

 

これには本当に驚きました(学校でだいぶ昔、家に帰るときは椅子をしまうように言った気がします)

 

僕も普段から言っていることではなかったので、おそらく家庭教育なのかな?? と思いましたが、次の日に子どもに聞いたら、「しまった方がいいと思った。」と言っていました(笑)

 

これは向こうの図書の職員の人も驚いたようで、ブラボー ありがとう! 君の名前を聞いてもいいかい? なんて褒めてくださいました。

 

なんか自分の生徒が褒められると、誇らしい気持ちになりますよね^^(これに関してはなにもしてないけど笑)

 

きっと中学校の生徒はそういう事をせず、いつもこの職員さんが片づけているので、そういう気持ちになったのでしょう。

 

褒められた子供もとても嬉しそうでした^^

 

この後どこかに行くたびに、子どもたちがきちんと椅子を仕舞う、しまう^^

 

こういう自分たちからの気づきの効果ってすごい大きいんでしょうね。また外部で別の人に褒められると、普段よりも大きな喜びになると思います^^

 

 

*悪かった点*

 

子どもが「ありがとう」をまだ適切に言えない(例えば先生からプリントを貰った時とか)ことは話しましたが、それ以外にもこんな一面がありました。

 

11:00~12:00の最後1時間は、自分が見たい教室に行ってもいいよ~ と言っていたのですが、僕の教室位置説明が不十分(何年生がどこの部屋か)だったこともあって、教室に入れない子が15人ほど出てしまいました。

 

その子たちの中で、どこにも入る教室がないまま外で待っている間、おなかがすいてお菓子を食べるグループが出ました。

 

僕は教室で授業を見学していたのですが、子どもたちの何人かが外で遊んでいるのを窓から見かけて、その場所へ向かいました。

 

僕が近づいてきているのに気がついているのにも関わらず、まだお菓子を食べ続けている女の子が2人。もうそっからは落雷。

 

僕「何で授業時間に関わらずお菓子を食べているの。今は食べたらいけないことは小学校でよく知っているよね。今回の学校訪問は遊びじゃないよ。遠足のつもりで来ている君たちは帰りなさい。ほかにお菓子を今の時間食べた子は誰?」

 

実際はこの X10ぐらいの剣幕です・・

 

これで10人ぐらいが強制帰宅(全員女の子)。

 

面白いのが、この子たちの頭のネジが抜けているところで、帰り際に学校近くのショップによって(学校から見える)またお菓子を買った子がいたんです・・

 

学校からもちろん監視していた(家に帰らず近場で遊ぶだろうと思っていた)ので、呼び止めました(早めに家に帰ると、保護者にどうして早く帰って来たのか聞かれますからね)。

 

彼らのすごいところは、これを悪いことと思ってなくてやっているし、学校から監視されている ってことも考えていないところなのです。

 

この頭の抜け具合が、未だに僕には理解できないところでもあります・・。もうちょっと賢くズルをすればいいのに()

 

良い意味でピュア、悪い意味で頭が・・ というわけです。

 

 

こから説教第2弾

 

僕「誰がお菓子を買ったの?」

 

(女の子二人が手を挙げる。さすがにさっきの子とは別の子)

 

僕「どうして怒られたかわかっているの?」

 

子ども「授業中にお菓子を食べたから」

 

僕「今何しているの?」

 

子ども「お菓子を食べた」

 

僕「どうして怒られたかわかっているの?」

 

子ども「お菓子を食べた」

 

X 5回くらいやった後

 

僕「君たちは自分が何をしたかわかってないと思うよ。この日のためにどれだけ多くの人が準備して、君たちのために食事まで分けてくれたかわかっているの。何回遠く離れたここに僕が来て、準備をして、電話でも長く話したかわかってるの?」

 

僕「もし君たちがミスビヘイブ(間違った行い)をしたら、それは君たちが悪いって問題じゃ済まなくて、それを監督している僕が良くないっていうことになるんだよ。つまり君たちは僕を辱めるようなことをしたんだよ。そして準備してくれた多くの人に立ちに対しても恩を仇できせるようなことをしたんだよ。恥を知りなさい。」

 

僕「もし君たちが先生で、他の学校から生徒が来ました。彼らが自分たちの学校でよくないことをしました。もう一度来てほしいと思う?」

 

子ども「思わない」

 

「もし君たちが僕の立場で、いろいろと長い間準備をして、自分の生徒を中学校に連れてきた。その子たちがほかの学校でよくないことをした。君はハッピー?」

 

子ども「ハッピーじゃない。ごめんなさい」

 

僕「ごめんなさいじゃ時間は帰ってこないんだよ。そしてそんなに深刻な事を君たちがやったんだよ。自分たちが何をやったのか理解しないといけない。」

 

(ここらへんで、子どもも状況の深刻さを理解して、かなり反省しているようだった)

 

僕「でも今回はせっかくの機会だし、次あるようなことかもわからない。もし自分たちが悪いことをしたって理解したのなら、中学校に戻って見学を続けよう。まだ終わってないこともたくさんあるから」

 

子どもたち「Thank you, teacher」

 

 

こんな感じでした。まあ実際には子どもに話したほど物事は深刻じゃなくて、中学校の先生も「6年生はとても規律正しい」 って褒めてくださっていたのですが、相手の気持ちに立って考える良い機会だったので利用させてもらいました(笑)

 

 

子どももかなり深刻に受け止めてくれたようで、それは本当に良かったです。

 

 

日本から来た時に、先生ってこういう教育を出来ることをイメージしていました 泣

 

 

しかし実際はそんなこた~ない。最初はとても大変でした・・。

 

こういう話を生徒がきちんと受け止めて聞いてくれるようになるまでは、自分が思うに前提条件が必要で、

 

・子どもが先生をリスペクト(尊敬)している(信頼関係の必要性)

・子どもが先生の言っている言語がわかる(海外ならでは)

・共通の善悪感が必要(正しい、正しくないことの共通認識が必要)

 

 

ちなみに最初来た時にこんな話をしても、へらへら笑うだけで全然相手にされませんでした>< 

 

日本とこちらじゃ善悪感も違うし、なぜかこっちの子どもは「怒られる」という経験が少ないからか、「逃避」なのかもしれませんがにやにやするんですよね・・ 不思議。

 

それに英語が理解出来ていないのに怒っても意味ないですからね・・ 

 

もちろん、こっちの子どもを指導するときは現地語と英語を混ぜて話します。重要な点は現地語で伝えた方が子どもも深刻に受け止めますから・・

 

 

まあ当たり前のことですが、この信頼関係をここの子どもと築けてこれたのは良かったです。もうなんかほんとに草の根活動で、持続可能な開発?? といった感じですが、こういった教育を受けた子供が次世代を教育していくわけですしね・・←言い訳

 

この地域に未練は特にありませんが、自分が教えてくれる子どもに未練はある。そんなGogogoです(笑)

 

 

結果的には、多くの人を巻き込めてこのイベントを行えて本当に良かったです。子どもにとっても非日常でとても刺激になったようでした。

 

 

f:id:kyouryokutaimath:20191031015653j:plain

6年生一同

 

 

 

それではまた来週♪