青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

タンザニア北部 ~ブログ内共同企画 共通算数テスト~

 


先週に引き続き、学校がお休み中のタツです。

この記事が投稿される頃、私はまだ任地に帰ってないでしょう(笑)('ω')

 

さて、今回はブログ内共同の企画と言うことで

もうすでに2人の他の曜日担当の方たちが書いてくれてますが、

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

「全国統一学力テスト」

について、自分なりの感想を。

 

この共同企画の主催者から、

「同じ学年のデータを比べたいから、Form1のデータを取ってくれないか」

と頼まれました。因みに水曜日担当のいくととの比較です。

 

前々から書いてますが、自分の担当はForm2。

と言うことで合間を縫ってForm1に突撃。

 

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如何せん、このブログに載せるため実行可能期間は1週間(*_*;

 

という苦労話は置いといて。

 

実は幸運なことに、隣の小学校にも行くことができ、同じテストを行いました。

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なので、明日土曜日担当のSaayaとも比較可能。

 


自分の学年(Form 2)をやって思ったことは

「え、何でこんなにできないの?」

多分他の曜日担当者も思ってることでしょうが

今回実施した中で(おそらく)一番高学年。

 

1番の足し算さえ間違える子も(+_+)


さて、以下は自分の学校と、隣の小学校の、学年ごとの比較です。

 

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一番最初に目を引いたものは、

 

何故かForm 1の方がForm 2より正答率が高い!

 

ってことを当の本人たちに話すと笑い始めました。

 

いや、笑い事じゃないだろ、あんたら国家試験あるんだぞ(。´・ω・)

 

一つ考えられる理由としては、

Form 1はこの時期まだ小学校の「貯蓄」があります。

なので小学校でやってきた計算をやればいい、と考えてるかもしれません。

 

対してForm 2、そろそろ数学が嫌いになってくる時期です。

早ければ去年のこの時期から離れていってたかもしれません。

 

そのせいで、数学に関する情報をシャットアウトし、

数学に対する意欲そのものがなくなってしまったのもあると思います。

 

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左:①小4②小5③小6 右①中等1②中等2

さて、特に顕著だったのが、カオルも言ってましたが穴埋め問題。

(掛け算はなぜかできてる。)

 

それと、もう一つ目を付けたのが、足し算と引き算。

足し算問題は引き算問題と比べると正答率が低い。

 

この二つ。

 

共通しているのは「逆の計算」

 

このテスト、作ったのは自分ですが

7番、AとBに少しだけ不備がありました。

 

穴埋めを求める際、二つの数字を足し算にするか引き算にするかが大きく違います。

 

同じく17番もです・・・。

 

ミナサマ、大変シツレイシマシタ。

 

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さて、B問題ですが、

2番は引き算、7番は足し算、12番は割り算、17番は掛け算をそれぞれすれば各答えが出ます。

 

それができなかった。

 

そして1と6、2と7、・・・5と10番は大体同じ難易度にしてますが、差が出ました。

 

因みに小学生もです。

 

勿論、「移項」の考え方がわかっている人からすれば逆の計算をしていることは反射的にわかると思います。

 

この子達(セカンダリー)、移項は既習なのでイコールを跨ぐと符号が逆転することはわかっていると思います。

 

けれどもそれは機械的にやり方を覚えているだけであって、

本質を深く理解していないのではないか。

 

今回の計算テストで改めて思いました。

 

最後に、当然ですが時間制限も設けました。

セカンダリーは上限20分、小学生は25分。

 

ほとんどはできますが、中には時間オーバーしても粘る子も。

 

以下は、各学年ごとの、テストの点と時間の散布図です。

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少し潰れて見えにくいですが、学年の横にある数字、

Form 2 (-0.52)、Form 1 (-0.15)

Standard 4 (0.26)、Standard 5 (-0.46)、Standard 6 (-0.26)

と書いてます。

 

Excelやデータ解析に詳しい方なら何の数字か瞬時にお分かりでしょうが

 

括弧の中の数字は「相関係数」です。

 

詳しくは以下のリンクから。

https://atarimae.biz/archives/7966

 

実は当初思っていたものより違う結果が出て驚いていました。

 

自分の予想は

 

「早くできた子ほど高い点を取りやすい。粘る子ほど点を取りにくい」

 

と踏んでました。

 

勿論、早くできても間違い多数、遅くても正確にする子もいるので

取り「やすい」、取り「にくい」と書いてます。

 

この予想はForm 2とStandard 5でしっかり見ることができました。

 

しかしForm 1とStandard 6はそれほど関係性があるとは思えない結果に。

 

Standard 4に至っては、

時間をかけるほど、どちらかと言うと高得点になりやすい」結果に。

 

試験自体、理想状態(カンニング一切なし、終わったらすぐ時間を書く等)ではなかったので、多少の誤差は出るかもしれませんが、おおよそ信頼できる数字だと思います。

 

分析っぽいことをしますと

 

小学低学年生はとりあえず正確に計算を行います。

横棒書いて足したり引いたりします。

そのせいで時間はかなりかかりますが、(数え間違えさえしなければ)答えを導き出すことができます。

 

高学年になるほど、足し算一つにそれほど時間をかけることはできません。

問題文を理解する、一つの問題に複数回計算する等

横棒を書いてたら間違いなく時間オーバーになります。

 

今回やったStandard 6やForm 1はそのことを理解してる生徒も多数でしょうが、

まだ正確に計算する力がついてなかったのでは、と思いました。

 

そしてForm 2までなると、今度は計算を早く正確にする力が十分身についた時期なので、

早くできる子は正解多数、遅い子は力がついてなかったので負の相関が強かったのでは

 

と今回の結果をまとめてみました。

(Standard 5は優秀だったのかな(*'ω'*) )

 

因みにこのテストの結果は小学校にも伝えましたので、

 今後四則演算の計算能力が上がることを期待したいです(´ー`)

 

Jicaタンザニアからは、「小中連携」のモデル構築を行ってほしいとお願いされているので、

今後タンザニア(に限りませんが)に派遣される教育隊員の見本となる活動を行えたら、と(*'ω'*)

 

さて、来週からまた授業です。

幸い、初週に授業を他のボランティアに公開する機会を得たので、

マンネリ化した(笑)自分の授業にメスを入れようと思います

(入れてほしいデス)

 

では今週もありがとうございました。