青年海外協力隊 算数・数学ブログ

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南アフリカ小学校教育 2019年1学期のまとめ 第1章 ~非常に波があった学期~ #協力隊#小学校教育

どうもー 月曜日担当のカオルです

 

現在南アフリカ共和国で、青年海外協力隊員として、公立の小学校で働いています

 

自己紹介について読みたい方は、以下の記事をどうぞ

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

 

今回の記事は長くなってしまうので2部立てで投稿したいと思います

 

 3月18日(月)と4月1日(月)で

 

なぜなら、

 

3月25日の記事では、ブログ内共同企画である

 

「突撃! お宅の台所!!」 をやるので、

 

1週挟んで、1学期のまとめを書けたらと思います

 

またFB等で投稿した際には広報させていただきますね

 

シリーズ全体の内容としては、

 

①前座

②やった内容とそれについての感想ちょびっと

(1)Grade4

(2)Grade5

(3)Grade6

 

ここまでが第1章

 

③子どもの生活態度の件

④授業外での活動

⑤自分のしんどかった時期 について

⑥まとめ

 

第2章

 

となります。今回は①・②のみで

 

次回、③~⑥を書かせてもらいます

 

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さて、 

 

3月15日をもちまして無事に1学期が終わりました

 

今学期は1月9日~3月15日の期間

 

(南アは4学期制なので、各々の学期は比較的短いです)

 

自分の中ではかなり波があって、いろいろ悩んだ学期でした

 

なので自分としていろいろ考えたことや、自分としての記録のためにも、1学期を自分なりにまとめていきたいなと思います

 

今日の内容は

 

①前座

②やった内容とそれについての感想ちょびっと

(1)Grade4

(2)Grade5

(3)Grade6

 

  

①前座

 

やったー!!! ターム休みだー!!!

 

ひとことで言うとこれにつきます

 

もう休養マジで必要 バケ・・ バケーション・・

 

南アは4学期制なので、年間4回お休みがあります

 

今回の休みは3月16日から4月1日までの約2週間

 

一番短い休みで2週間はあるので、とても恵まれている環境です

 

1番長い休みは夏休みで、日本と同じで1か月近くあります

 

(時期は南半球なので、南半球が夏の12月に夏休み)

 

つまり南アの教員の休みは、2週間の休み×2 と 3週間の休み と 5週間(夏休み) で、

 

計12週間も休みがあります^^

 

いや・・ 教職隊員(職種が教員として派遣されている人)は長期休みがあっていいよねー 

 

という事が協力隊員の中でも言われるのですが、まあこれだけお咎めなしに休めたら言われてもしょうがない

 

 とまあ今回の休みは、ケープタウンでだらだらしたり(特にどこも行きません笑)、他国に任国外旅行に行こうかな

 

実際、絶賛バケーション中

 

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ケープタウンの景色

 

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協力隊員は、年間20日間と制限はあるのですが、他国を旅行出来る制度があります(2019年3月現在)

 

 

 

て、学校の話に戻って

 

今学期は、精神的にも体力的にも少しきつい学期でした・・

 

その話は④でするとして、

 

まずは授業等々の振り返りから!

 

 

②各学年でやった内容と全体としての感想

 

(1)Grade4

 

「やったこと」

 

1桁の足し算、引き算、繰り上がり、繰り下がりの暗記

 

4桁までの足し算、引き算のひっ算のやり方

 

 

「所感」

 

今年からはじめましての学年です

 

まず感想としては

 

めっちゃ体力持って行かれる

 

彼らにとって今年からオールイングリッシュ(全部の授業を英語で行います)での教育が始まります

 

今までの授業は、ずっと現地語で行われてきました(もちろん九九とかも)

 

これまでの英語の時間は1日に1時間ほど(これからもですが)です

 

特段、力を置いて行われてたわけではないんですね。驚くことに

 

1日1時間の英語教育で、4年生からは完全にオールイングリッシュですよ

 

狂ってるとしか言いようがない・・

 

小学校1・2・3年生は Foundation Phase (直訳で基礎学年)とも呼ばれ

 

基本的な内容や、小学校での過ごし方 

 

を本来ならば習うための学年です

 

しかし私の任地のゴゴゴ小学校での基礎学年は

 

遊んでるだけの学年(あくまでも個人のイメージです)

 

基礎学年の先生方は、高学年と比べて(4年生~)授業の欠席回数も多いですし、教える能力も低いように見受けられます

 

日本では反対に、1年生を担当する先生は力が必要ということで、比較的ベテランの先生が担当されたりします。

 

担任以外に、アシスタントの先生がつく学校も最近では増えてきてますね

 

まさに真逆

 

これはあくまでゴゴゴの話です。南ア全体でどうかはわかりませんよ。

 

住民の話によると、先生方は高学年を教えたがるそうです。

 

なぜならまだ子どもの聞く姿勢が出来ているから。言う事も聞くから。

 

逆にそれでも下の学年に行く先生というのは、低学年を教える力しかないから行くことが多いのです(英語の能力が低い。高度な内容は教えられない)

 

これによって一番大事な基礎固めの時間である、1・2・3年生の授業が全く機能しなくなっています

 

具体的に言えば、4年生なのに九九が言えません

 

ひっ算のやり方を知りません(足し算ですら)

 

引き算は1桁でもできません

 

引き算の概念がそもそもわかっていないことも多いです

 

こんな状態

 

また、それと同時に、授業中の態度・集中力もひどいです・・

 

まあそれはどの学年も同じなのですが、そりゃ低学年ほど落ち着きがある子供の数も減っていきますよね

 

年齢とともに、多少は落ち着きが出てくる っていうのは誰でもあると思うので

 

ゴゴゴの4年生は、日本の1年生と同じくらい落ち着きがない と自分では思います

 

こんな4年生を今年は1学期から担当

 

(去年は来たのが3学期で、実質4学期から授業を担当していました)

 

子どもをもっと早い段階でよく出来る!!

 

と意気込んでいたのですが、

 

もうめちゃくちゃ疲れました(笑)

 

1桁の足し算・引き算から叩き込むんです・・

 

私の授業のやり方もわかってないです

 

英語の指示がわからない。現地語で言われても先生が何を望んでいるのか、考える力が弱い

 

現地の先生と私では、授業のやり方とかも違いますしね

 

ノートを出して、日付書いて 

 

そういったことも指示しなければできません・・

 

そんなレベル

 

ノートの書き方なんて、みんな自己流なんでもうむちゃくちゃ

 

以前、エリーさんがフェイスブックに載せてましたが、ノートの線に沿って書けない子も多数います

 

ちなみに私は、比較的授業中厳しめの先生

 

授業中歩かない。ガムを食べない。大きな声で話さない。殴り合いをしない

 

日本では当たり前ですが、例え先生がいる前でも、こっちの子は平気で上記のことをします

 

現地の先生も、自分たちが子どもの頃そうやって習ってきているので、特に注意等もしません(ひどい時を除いて)

 

教室に先生がいてもそんなことをするのに、いないときはもうカオス

 

授業中に職員室に資料を取りに行って、帰ってたら女の子が泣いてるww 

 

みたいのもあります

 

「やってはいけないこと」 という全教室に貼ってある貼り紙には、上記のことはやってはいけない、となっているんですけどね

 

この貼り紙も、教育省からのお達しで貼らなければいけない、と決められているんでしょうか・・

 

先生方に、授業中に子どもがガムを食べる件について注意をしてもいいのか聞くと、

 

絶対に食べてはいけない(えっへん) 

 

と言いますが、

 

その先生が授業が始まってもまだパンを食べてたりしますし、説得力なんてないですよね

 

 

話を勉強に戻して

 

思ったより、出来るようになる子が少なかったなー ><

 

クラスの半分がすでに留年している学年(28人中14人)で、明らかに発達または学習障害の子もがなり多い学年ですが、それを込みでも、出来るようになる子が少なかったな 

 

と思います

 

4年生という学年もあってか、まだ焦り等が全くないからでしょうか

 

それに周りも出来る子が少ないですし

 

授業中にフラッシュカードの練習の時間を与えているのですが、

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

(フラッシュカードのやり方の記事)

 

結局時間を与えてもやるかどうかは本人次第

 

いろいろ工夫をして、なるべくやる気を出して取り組んでもらえるようにもしますが、

 

それでも結局は本人次第です

 

工夫については以前の記事でも紹介しました

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

他の単元の勉強としては、

 

「時間」「四捨五入」

 

をやったものの、ついてこれる子が少なすぎる

 

英語力の理解が低すぎるが、英語能力が低くても理解できている子もいるので、それだけじゃなくて単純に能力の問題な気もする

 

クラスの3分の1ぐらいしかついてこれてない

 

だがこれ以上ないというぐらい易しい説明(自分的に)をしているし、これで理解できない子には、1対1で直接フォローするしかないが、そんな時間は3学年を担当しているとほとんど無い

 

他の学年の子どもで理解できることが、4年生で理解できないのは、もうわけわからない・・

 

正直どうしようもないかな。。 と思ってしまう、1学期でした・・

 

だって、何時・何分が 教えてもわからないって

 

教え方が悪いか、子どもの理解する速さが遅いか だと思うんです

 

私の教え方も完璧ではありませんが、理解できてる子もいますし、他学年ではより理解出来ている子どもの数が増えてくるんです

 

子どもって不思議

 

 

*次の学期に向けて改善点*

 

1桁の足し算~繰り下がり はもっと徹底的に練習させる必要性あり

 

朝学習も2学期から初めて、そこでも練習させる

 

単元内容が理解できないのはその子の英語能力・集中力 の問題も大きいので、成長するのを待つしかないかな・・

 

 

 

(2)Grade5

 

「やったこと」

 

九九の復習、わり算

 

わり算のひっ算、時間、四捨五入 

 

 

「所感」

 

ターム1は進めすぎずに、遅れている子に最後のチャンスという事で、九九を復習する時間を取りました

 

単元もわり算のひっ算に入り、露骨にこれまでの内容を理解している子と、そうではない子で差がついてきます

 

これまで勉強から逃げて、九九があやふやな子は、もうわり算についていけなくなっています

 

ごまかしが効かなくなってくるんですね

 

だからあれだけ授業中に時間あげたのに・・

 

朝学習や、放課後学習の時間も取っていたのに

 

5年生には毎日朝学習で、プリントをやらせてたのですが、そういう出来ない子ほど朝学習にも遅れてくる

 

 朝学習の様子はこちらの記事をどうぞ

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

もうどうしようもないかなと

 

出来ない子の中でも、良くなりそうな見込みがありそうな子(やる気はないけど、頭の出来はそれほど悪くない子)には、個別にフラッシュカードを渡して、やってこなかったら授業についていけなくなるよ 

 

と脅して、

 

放課後も残してやらせていたりしたのですが、

 

やっぱり結局は本人がやる気を出して覚えるしかない

 

本日2回目 

 

結果上手くいかなかった子が多かったです

 

(去年の5年生は、自分自身ももっと熱意を持ってやれたからか、ほとんどの子がわり算まではできるようになりました)

 

去年は2学年しか持ってなくて、4年生はゆっくり 進めていたので心のゆとりもありましたし、5年生に割くことが出来る時間が多くありましたから

 

今年は4・5・6年生と教えていて、5・6年生は、ある程度の進度で進めているので、脱落者が多くなってしまった模様・・

 

でも計算練習ばかりに時間を取るわけにもいきません

 

教科書を批准した授業をやって、子どもが内容を理解し、中学校に行った際に躓かないことが私の目標ですから

 

 

ただし、九九が苦手な子でも、時間とか四捨五入とかは理解できたよう

 

でも結局は、時間も四捨五入も計算が必要な分野です

 

例えば、時間であれば

 

4時半の2時間35分前は何時何分でしょう とか

 

300kmの道を時速60kmで走ったら、何時間で着きますか とか

 

四捨五入であれば

 

2345+8534 を10の位で四捨五入してから足しなさいとか

 

5年生になるとこういった問題になってきます

 

結局計算が出来なければだめなんですね・・

 

内容も、終わりのころには分数に入りました

 

分数になると、わり算もほぼ完ぺきにできること が前提

 

より難しくなってきます

 

でもできる子もクラスの半分はいるんです

 

その子たちにとったら、九九のフラッシュカードをやるなんて時間の無駄でしかありません

 

だから全体としては、もう分数の範囲に2学期からは進んでいきたいなと思います(非情)

 

 

 

(3)Grade6 

 

「やったこと」

 

分数の概念・計算(足し算・引き算・九九) 通分のやり方 約分の仕方 等々

 

時間 四捨五入

 

 

「所感」

 

この学年は非常にやりやすい学年です

 

ほぼ全員、生徒が四則計算ができるので、内容もトントントン という感じで進めていきやすい

 

クラスの雰囲気も大部分が理解できているため、出来ない子が焦る 

 

という環境があります

 

これが他のクラスになると、出来ない子の割合が一定以上いるので

 

出来ない子が、他にもいると思ってまったく焦りません (笑)

 

校長もこのクラスの授業はすごくやりやすい といつも言っています

 

最近病んでて、校長にやる気が出ないと話したところ、

 

校長から You did a wonderful job last year(去年いい仕事したね!)

 

と言われ、4・5年生はどうだ? と聞かれるのですが、

 

4・5年生は学びが遅い子の割合が多いし、自分にも去年ほどのエネルギーがないから無理だろう 

 

と言っています(正直)

 

分数の計算は一通り、ババッとやったのですが、

 

まだまだ通分・約分 等々を考えると時間が必要だなと

 

模擬テスト(去年のテスト)をやらせたら、簡単な通分と引き算の問題だったのに間違えていました

 

もうまじかよ・・

 

なんで普段できているのに、テストになると間違えるんですかね

 

結局練習が足りていない 

 

からなんでしょうけど・・

 

かといって宿題をやってこない子が、練習が足りなくなるのはどうしようもないというか・・

 

毎日プリントの宿題を出すと、正直全学年見切れないですし、紙もそんなにたくさん使えません

 

だから普段は、ノートに1ページなんでもOK という感じで宿題を任意で出させています

 

この学年は、そういった任意の宿題でも毎日10人前後提出してくれます

 

やっぱ勉強ってとけると嬉しいんですかね

 

クラスの雰囲気も多くの子が出来るので、出来ない子は焦るという風土がきちんとあります

 

 

ーーーーーーーー1学期テスト結果ーーーーーーーー

 

1学期のテスト結果が出ました

 

Grade4 4人

Grade5 7人

Grade6 3人

 

赤点(40%未満)でした

 

テスト日が延期されたせいで、その場で指導することが出来なくて心配だったのですが

 

このぐらいの人数で済んでよかったです

 

まあ赤点の子も、事前に予測していた子たちだったので、そりゃそうだと

 

これを日本人が見たら、そんなに赤点とる子どもがいるんだ!! 

 

と思うのかもしれませんが、

 

日本基準で、がっつりカンニング防止・おしゃべり禁止

 

でやったら半分くらい落ちますよ (笑)

 

自力でやらせて、同じ人数ぐらいしか落とさないのは

 

一番できる6年生ぐらいです

 

他の学年(特に4年生)は、現実問題クラスで80%の子が赤点とっても、驚きません

 

今回のテストでは、先生方が答えをサポートしたのでしょう(おそらく)

 

 

それではまた来週♪♪