青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~ブログ内共同企画 共通算数テスト~

どうもー 月曜日担当のカオルです

 

今日は

 

第2弾ブログ内共同企画

 

「各国共通算数テスト」 

 

を行い、それに対しての感想等々を述べていきたいと思います

 

 今回は、自分の学校内での5年生と6年生の出来を比較した感想を、書いて、次回全体的な他の国と比べてみた感想を述べたいなと思います

 

 

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用意したのは2種類のテスト(問題ごとの難易度はほぼ同じ)

 

 

なぜ2種類用意したかというと、1種類のみでは隣同士でのカンニングが起こるため、カンニングを防ぐ目的で2種類用意しました

 

 

うちの学校では、5・6年生(1学年1クラス)で実施したのですが、5年生は30分、6年生は20分ぐらいでほとんどの子が解き終わってました

 

 

え?? 時間かかり過ぎだって・・

 

 

しょうがないんです><

 

 

テスト内容としては、簡単な四則計算+ちょっと頭を使わなければならない虫食い問題

 

 

まあ、8割は最低取れて欲しいなー

 

 

と思ってましたよ

 

 

全体としての結果は、

 

 

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縦軸が人数。横軸が得点

 

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となりました

 

 

①、⑪、⑫、⑯番の、基礎の足し算と、簡単な九九で取れる問題が、80%以上と高正答率ですね^^

 

 

 

 

それでは

 

 

 

①クラス平均の差

②男女の点数の差

③8割以上とれている子ども

④4割未満(授業についていけてない)の子どもの割合

 

の4項目から見ていきたいと思います

 

 

 

①クラス平均の差

 

5年生が平均10.88、6年生が14.12と、両者の間に3.24点の差があります

 

3.24点と言っても、20点満点のテストですから、その差は大きいと言ってよいと思います

 

 

実際教えていても、6年生はクラスの70%は授業について来られているなと感じるのに対し、5年生は50%理解していたら嬉しいな・・

 

ぐらいの感覚です・・

 

その出来の差がもろに、数字に出ましたね

 

5年生の子どもは、足し算・引き算の単純計算でも計算ミスをしてしまう子の割合が高かったのに対し、6年生は堅実に簡単な問題を取っていったと思います

 

5・6年共に虫食い計算は苦手ですが、6年生の方が難しい問題においても出来は良いですね

 

 

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5・6年生の正答率分布表

 

赤で囲ってあるのが、頭を使う事を必要としない、単純な足し算・引き算の計算問題です

 

 

1問目の33+6は同じ正答率(88%)なのに対し(なぜ100%じゃないのかという突込みは置いておいて)、

 

4・5・6・8・10 番はそれぞれ正答率に大きな差があることが見て取れると思います

 

3番の正答率がなぜ肉薄しているのかは謎ですが、全体的に見て、簡単な計算問題(足し算・引き算のひっ算)をしっかり取っていってる6年生の傾向が見られます

 

反対に5年生は、取れるような問題でも、落としてしまう

 

繰り上がり・繰り下がりがこんがらがってしまって、10を次の位に上げるのか、それとも隣の位から取るのかわからなくなってしまったり、

 

単純に繰り上がり・繰り下がり計算の不十分さが考えられます

 

だからあれほど、フラッシュカードをまじめに覚えろと言っているのに・・

 

ちなみに期末テストとは違って部分点はありません♡

 

 

 

いて、穴埋め問題を比べてみたところ・・

 

 

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赤丸がついてる部分が穴埋め問題

 

2番と7番の穴埋め問題(それぞれ足し算・引き算)の差は5年生と6年生でかなりありますが、12番と17番(掛け算・わり算)の穴埋めの差はそれほどありません

 

これは足し算引き算の穴埋めがいかに難しいか・練習を必要とするかがわかります(当然ですね笑)

 

逆に、九九で解けるような掛け算・わり算の穴埋めは、九九さえマスターしてればいいということですね

 

これが例えば、13×◇=169 とかになると、途端に難易度が上がるんでしょうけど

 

 

 

は、正答率にほぼ学年間の差がない問題 

 

 

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正答率にほぼ差がない問題

 

 

正答率にほぼ差がない問題は、特に・掛け算・わり算に関しては九九の範囲内で解ける問題が多かったことが分かります

 

つまり同じぐらいの割合の子どもが、九九が苦手で出来ず、九九が出来る子はほぼ点数を取れているという事になります

 

 

 

②続いて男女の学力格差について

 

5・6年それぞれの男女&クラスの平均点

 

 

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これを見ると、女の子の方が出来の良いのが目に見えてわかります

 

(Femaleが女性、Maleが男性です)

 

表が少し見にくいですね。すみません。

 

に6年生では、男子と女子の平均の差は4点近く4.3点)になっています

 

5年生でも2.7ポイント差と差がありますね・・

 

また、8割以上(16点以上)取ってる子の男女の割合を比べてみると

 

 

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オレンジが女子。青が男子

 

6年生は、男対女で 1人対13人、 5年生は、3人対4人 となっています

 

5年生は全体平均で見ても僅差ですが、6年生では男女の格差が顕著です

 

もともとG6は女の子の方が多い学年(34人中10人が男子、24人が女子)ではあるのですが、人数割合比でもこの差はひどい・・

 

 

く小学校のころは女の子の方が良くできると、巷でささやかれていますが、私の小学校に限ってはそれを強く感じます

 

というのも頭の良さ云々の話ではなく、女の子のほうが落ち着いていて、先生の話を一応聞ける子が多いからだと思います

 

男の子も女の子も、日本の子どもと比べるとありえないくらい落ち着きがない子が多いのですが、

 

女の子の方がまだ落ち着きがあったり、先生の指導をまじめに聞いたり、素直な場合が多い気がします(あくまで僕の任地の話です)

 

反対に男の子でも賢い子はいるのですが、どうしても遊んでばっかりで、居残りで勉強させられるとなると逃げちゃったり、自分の学力がないのを認めたがらなかったりして、指導に手間がかかります

 

こちらは先生が学習を強制するという事がほぼないので、遊んでる子どもは遊びっぱなしです。そして留年します

 

また、親も子どもの教育に興味がない? のか 放置? な 親・祖父母がある程度の割合でいます

 

まあ自分が勉強したことがないのに、子どもに勉強を教えることはできませんよね・・

 

事実として、九九が出来る保護者はほとんどいないと私は思っています

 

に、それなりの仕事を得ている保護者は、子どもが学校でやっている内容の事も理解していると私的に思いました(家庭訪問をかなりの回数やりました)

 

 

 

えば最近学校を休んだ子(兄弟で5・6年生。どちらも成績が取り返しがつかないレベルで悪い)がいたのですが、

 

休んだ理由を聞いたところ

 

トウモロコシの実を剥がすのを手伝っていた(コーンの部分だけ取って、それをすりつぶして、主食となるパップの原料となる)

 

と言っていました

 

ちなみにこの時期はどこの家庭でも、この作業に追われます

 

しかし大概時間はたくさんあるので、家に帰ってから子どもに手伝わせたり、夜に行ったりします

 

うちの校長は、その話を聞いて

 

They're displaying how to fail to others!!! (彼らはどうやったら留年するかの見本を見せているだぜ!!)

 

と言っていました・・

 

その作業が大事なのはわかるけど、勉強はもっと大事ですし、時間はたくさんあるのだからわざわざ学校を休ませなくてもいいでしょ><

 

 

て話を、男女の学力格差に戻して、

 

 

学習ペースがスローな子ども、障害が明らかにあるような子どもの割合は、男女ともに同じぐらいなのですが、障害がある子はどうしようもないにしても、

 

学習を強制された(朝学習や居残り教室)際に、進度が遅いながらもきちんと取り組めるかが、男女の差を生んでると思えます・・

 

女の子は、遅い子も、遅いながら必死にやろうとする子もいます(こちらからプッシュすれば)

 

 

去年の5年生(現6年生)で、放課後残って私と一緒に勉強しながら、怒られたり、叱られたり、泣かされたり、褒められたり・・

 

そんな感じでやってきたこの中には、驚くぐらいできるようになった子も何人かいます

 

1つの科目が出来るようになると、勉強の面白さが分かったのか、英語等の他の科目でも努力しようとする姿勢が表れるようになった子どももいます

 

逆にクラスの多くが算数は苦手だったので、算数が出来るようになったことで、もともと英語等の科目が出来るような子が、全体順位でかなり上の方に来るようにもなったりしました

 

やっぱり出来なさすぎて、こちらとしては投げ出したくなることも多々ありますけど(自分だけかな?笑)、それでも叱ってもいいからしっかり見てあげる方が、自分の性格に合った指導方針だなと思いました・・

  

 

 

 

 

③8割以上とれている子ども(授業をほぼ理解できている)の割合

 

 

 

このテストは虫食い問題等もあるので、少し難易度高めです

 

また、彼らは注意欠陥がはなはだしいので、わかっていても数問はミスしてしまうんです(落ち着きのなさ・練習不足からのケアレスミスが多いんです・・><)

 

なので、8割(16点)取れている子どもは、授業を理解していると言っていいと思います

 

 

8割以上の子どもの割合は、

 

5年生 7人/26人(27%) 6年生 14人/34人(41%)

 

このぐらいの割合の子は、ほぼ完ぺきに今やっている内容も理解できていると思います

 

また、体感的には、5年生50%、6年生70%ぐらいはついて来れてますね

 

 

⑤4割未満の子どもの割合

 

 

このテストで4割(8点)を下回る子どもというのは、四則があやふやである→現在の内容にはついて来られていない という事を意味します

 

 

結局何をやるにしても、四則計算が出来ていないと、躓いてしまうので

 

4割未満の子どもの割合は、

 

 

5年生 6人/26人(23%) 6年生 3人/34人(9%)

 

です

 

まあこの際だからはっきりと言いますが、この子たちは何かしらの障害を明らかに持っていると思います

 

私には正確にはわからないのですが、例えば数字がみんなと同じペースでは覚えられない

 

朝学習・放課後学習をしても、それでも周りの子のペースについていけない

 

その日覚えても、記憶が次の日にほとんど定着していない

 

多重留年者。最低1度は少なくとも、多い子は3回留年しています(小学5年生まででですよ・・)

 

それも、1~3年生で2回留年すると自動で4年生には上がれるので、4年生で一度留年して5年生に来た子は、MAXでも3回です

 

学年は5年生だけど、年齢的には中学2年生なのです

 

しかも4~7年生では1回ずつ留年可能なので、

 

4年生で1回、5年生で1回・・・

 

となると恐ろしいことに

 

実際うちの学校には、7年生に1人そういう子がいます・・

 

5年生は、クラスの5人に1人がそういった障害を持つ(勉強が困難な)子どもです

 

正直、クラスの雰囲気を良くしようと思って、その子に何とか頑張って覚えてもらおうとしても、その子が頑張ってくれても、出来ないことはできないのです

 

特別支援に行くべき様な子どもがお金、交通事情の観点で村の公立小学校に来ざるをえない

 

そして、そういった子どもは何度も留年して、歳だけ重ねていってしまう・・

 

そしてその事を気にしない親。家でのフォローも見込めない

 

南アの闇はまだまだ深いです・・

 

 

 

それでは今回はこれで!

 

ではまた♪