青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

南アフリカ共和国 ~共通算数テスト(他国と比較編)~

うも~ 月曜日担当のカオルです

 

今回はブログ内共同企画として行った、各国共通テストの結果を、他国の成績と見比べて分析してみたいと思いま~す

 

ちなみに前回の記事では、任地の小学校であるゴゴゴ小学校(Gogogo Primary School)内での、5年生と6年生を比較したのでそちらの記事もぜひ読んでみてください~(こっちの方が詳しく分析しています(笑))

 

 

 

kyouryokutaimath.hatenablog.com

 

 

ちなみに問題の内容は

 

 

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今回の流れは

 

①5年生の南アとタンザニア(中部・北部)の結果を比べてみる

②6年生の南アとタンザニアナミビアの結果を比べてみる

③まとめ

 

 

それでは行ってみましょう♪

 

 

 

 

①5年生の南アとタンザニア(中部・北部)の結果を比べてみる

 

 

 

 

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南アとタンザニア(北部・中部)の5年生の比較結果

 

次に折れ線グラフで検証

 

 

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①が南ア(SA)。②がタンザニア中部(TM)。③がタンザニア北部(TN)

 

 

これでもまだ、わかりにくいですね・・

 

 

全校で50%を切っている問題を抜き出してみると、

 

②、⑦、⑧、⑩、⑭、⑮、⑳

 

となっています

 

 

足し算、引き算に関しては、穴埋めと、0が位に入ってくる引き算

 

掛け算・わり算に関しては、2桁×2桁の掛け算や、3桁÷1桁のわり算など、基礎がしっかりできていないと解けない問題の50%未満率が高かったです

 

 

 

続いて、

 

 

②6年生の南アとタンザニアナミビアの結果を比べてみる

 

 

 

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①南ア(SA)。②タンザニア(TN)。③ナミビア(NM)

 

 

これを見て思ったのが、

 

 

以前まで、自分の南アの任地の6年生は、かなりできる子ども達だと思っていました

 

彼らのほとんどは、四則計算はほぼ完ぺきにできます(ケアレスミスが多いのが難点なのですが・・)

 

しかし各国の6年生と比べてみると、ずば抜けてできるというわけではなく、タンザニア北部の子どもは同じくらいできることもわかります

 

ちなみにタンザニア北部の6年生は、タツが教えているわけではなく、データを取りに今回たまたま訪れた小学校です

 

なのにこれだけ出来るという事は、

 

普段から小学校の教育システムがしっかりしているという事

 

タンザニアは、北部とそれ以外の地域との差が大きいとは聞きますが、これだけの正答率が取れるタンザニア北部の教育レベル

 

地元の先生方だけでここまでのレベルに育ててあげていること

 

素晴らしい教育システムがあるな~ と感嘆の念を禁じ得ません^^

 

 

 

ちなみに南アの算数のランクは、

 

TIMSS(Trends in Math and Science Study)という算数と理科のレベルを測ったよーという調査結果によると、http://www.timss-sa.org.za/download/TIMSS-Grade-9-highlights.pdf

 

For mathematics, the top five ranked countries were from East Asia: Singapore (621), the Republic of Korea (606), Chinese Taipei (599), Hong Kong SAR (594) and Japan (587).

The five lowest performing countries were Botswana (391), Jordan (386), Morocco (384), South Africa (372) and Saudi Arabia (368)

 

 

算数においてトップ5は、東アジアからで、シンガポール、韓国、台湾、香港、日本

どべ5位は、下から、サウジアラビア、南ア、モロッコ、ヨルダン、ボツワナ

 

となっています

 

 

ですがこのランクの国々を見ていて気が付いたのですが、どれも中・先進国ばかりの中での統計ですね

 

なので、中・先進国の中で、南アは下から2番目という解釈が良いと思います

 

逆に中東・アフリカ国々のレベルが低いと(https://www.itweb.co.za/content/z5yONPvEgLQMXWrb)こちらの記事でも述べられていますが、

 

サウジアラビア等が今国内改革を行って、石油依存のモノカルチャー経済からの脱却を図ろうとしていますが、一番大きな問題はそれを支える人材がいないことなのでしょうね・・

 

南アも同じで、白人政府から黒人政府に代わり産業勃興等、ビジネスを活発化させる政策を取っていますが、大きな問題は汚職と黒人の人材不足だと私は思っています

 

教育は投資したからと言って、すぐに結果が出る分野ではありません

 

だから長期計画に沿って、人財育成を行い、その人材を受け入れる雇用の受け皿を作り、また今現在においても即戦力が活躍できるようにする

 

そんな難しい時期を南アは迎えていると思います・・

 

 

話し戻して、

 

また、嬉しかったことの1つとして、南アの6年生において、正答率が50%を切った問題が1つもなかったこと

 

穴埋めもクラスの半分は出来ていた

 

そう考えると、気が休まります・・(笑)

 

 

 

③まとめ

 

 回比べてみると、自分たち以外の国でも三則が十分でないことが改めてわかりました

 

足し算は、指を使えばできること&複雑な思考を必要としない概念

 

だからか、どこの国でも定着していることが改めて伺えます

 

かし、引き算になると途端に難易度は上がり、引き算のひっ算ともなると定着率は良くて3分の2ほどになります

 

九九やわり算は、低い段は何とかできているものの、九九の上位の段以降は定着度が低くなっています

 

また、掛け算のひっ算や、わり算のひっ算の出来は、ひどいものがあります・・

 

各国が国を挙げて取り組むべき問題は、

 

引き算

九九の定着

 

この2つにつまるところあり、この2つの改善が先決であると私は思いました

 

これはつまり、小学校低学年(Foundation Phase)の教育システムの改善、また人材の育成をしなければいけないということでもあります

 

逆に足し算は、世界どこでもある程度できるのでは?

 

何か効率的な、引き算・掛け算の覚え方はないものか・・

 

 

 

それではまた来週♪