青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

協力隊 小学校教育 ~楽しんで学ばせる工夫~ 算数の遊び 第1章

どうも~ 月曜日担当のカオルで~す

 

 

今回のテーマ

 

 

楽しんで学ばせる工夫

 

これでやっていこうと思います

 

 

今回の内容も2部構成

 

①前座(エピソードとかもろもろ)

②本題(楽しんで学びを行う具体的な内容) 

 

 

①前座

 

 

さて、私の任地である南アフリカ共和国のGogogo小学校

 

子ども達の良くない特徴(授業をする点で)として、

 

集中力の欠如

 

が真っ先に挙げられます

 

まず

 

①英語を長時間聞けない

 

(つまり言葉による説明を10分以上聞けないということです)

 

②授業全体を通しても、10分もすれば集中力が切れてくるのが目に見えてわかる

 

(きょろきょろしたり、ボーっとしたり、ひどい子になると話し始めたり)

 

③英語を長時間かけない

 

(多くの英語を書く&先生の説明を集中して聞くというのはゴゴゴの子にはかなり難しい)

 

④多くの問題を一度に与えると、集中力が途中で切れてしまう

 

(テストぐらいの分量になるともはや最後まで集中して解けない)

 

 

 

が思う、集中する時間が日本の子どもと比べて短い(断言します)理由の考察として、

 

①集中力を持続させるような訓練を受けてきていない

 

例えば短い時間からの集中→長い時間の集中

 

日本だと小学校でも、子どもの成長過程に応じていろんなトレーニングを積みますよね

 

具体的には教員をやっていたわけではないので、すぐに思いつきませんが・・(笑) 

 

ここではそういった集中力を持続させていくためのトレーニングが一切ありません

 

 

 

②単純に集中できない子がクラスに多い

 

根本的に出来が悪い子は多いような気がします

 

日本だと各クラスに分散させますよね

 

もちろん発達障害の子どもなんて1クラス2・3人のレベルではないので

ゴゴゴ小学校の4年生のクラスの半分が留年経験者・・・(1・2・3年生の段階で必ず1回は留年している子ども達です。最高で2回ですね

 

それ以上留年すると、自動で上の学年に昇格? できます (笑)

 

日本であれば特別支援に入るような子が、特別支援学校はお金がかかるからという理由で、公立の学校に入ってきます。

 

そして勉強についていけなくなります・・

 

 

③授業中にどうしようもない妨害も入ってしまう

 

先生方の授業中の携帯での通話

 

壁も薄いのでほかのクラスが騒いでる(騒いでいても特に教職員が注意しません)と、それがかなりはっきりと聞こえてきてしまう

 

先生同士の教室内のおしゃべり(職員室でせめておしゃべりしろや)、謎の保護者の訪問

 

 

上の①~③のような理由が重なり、上級学年でもかなり集中力が短いです

 

 

 

 

そもそも日本では上級生は責任感を持って行動して、他の学年の見本とならなければいけない と先生から言われますし、家庭でも兄は弟・妹に対してある程度の責任を負いますよね(私は1人っ子ですが・・)

 

子どももそれが当たり前の価値観で育っているので、それをしなければいけないことはわかっています(実際はまだ子どもなので、年上らしく振舞うのは難しいですけど)

 

にここ(私の小学校)では

 

上級生=他学年に対して威張れるもの。年上は偉い。グラウンドも優先して使える。口答えしたら、力で黙らせる

 

こんな感じの価値観です

 

このあたりが家庭教育が崩壊している、任地の1番良くない点だとも私は密かに思っています

 

勉強云々の前に、人として、ありがとう・ごめんなさい くらいは言えよと

 

大人でも言わないですからねw(もちろん人によりますが)

 

例えば、教室の備品を壊した、先生のものを無くした

 

まず初めに、ごめんなさい が最初じゃないですか

 

でもここの子どもはごめんなさいを言わないんです・・ 

 

それはごめんなさいを言えないのではなく、こういうシチュエーションの時はごめんなさいを言う っていう事を知らないんです(驚くでしょ?)

 

大人ですらそう言った基本的なことを言える大人が少ないのに、子どもなんてもっと少ないです

 

ここらへんが、任地(ベンダ)の1番よくない点だな~(洗練されてない点)って自分では思ってます

 

大人のレベルがひどいなと思った例を1つ挙げさせて貰うと、

 

ある日コンビタクシーに乗っていた時に、隣に乗っていた子供が具合悪そうにしていました(道路状況も悪いですし、酔ったのでしょう)

 

なので、カバンからビニール袋を出し、これを使いなと言って渡してあげました 

 

その子は案の定気持ち悪かったのか、嘔吐しました・・

 

終わった後、一緒にいた若い母親(お前いくつで子ども産んだんだ)は、袋を渡してくれてありがとうとも何とも言わず、コンビを降りていきました

 

もうね・・ ざけんな!!! (笑)

 

 

 

さて、話を集中力の話に戻して、

 

 

子どもの集中力が短いのに、授業は朝から30分×4コマが3セットあります

 

4コマごとには休憩があるのですが、4コマ間は休憩なし

 

そりゃまともにやってたら子どもも集中力切れますわ(2時間ぶっ続けですから)

 

まあ先生も子どもも集中してやってないから

 

(先生が学校にいても教室に来ないこともありますし)

 

特に誰も問題にはしませんが (笑)

 

 

算数は最低で1日60分、長い日は90分連続であります

 

この授業間で制度上の休憩はないので、私が勝手に途中で休憩を取ったりする日もあります

 

 

どう考えても集中できるわけないでしょ

 

日本では大学の授業でも90分です

 

大学によって違うのかもしれませんが・・

 

しかし前述したとおり、任地の子どもは10分の集中が限界

 

ここで教員としての腕が試されます・・

 

集中力が短い子ども達相手にどれだけ効率的に授業を行えるか

 

 

出た効率

 

 

そこで、今日は授業内で取り入れてる、あそび を紹介してみたいと思います

 

      

 

 

②遊び編(本題)

 

 

①即答大会(Competition①)

 

これは班ごとに、ポイントを競い合うゲームです

 

まずは班の中で順番を決めます(1番~4番まで・大体1班4人制なので)

 

その後、出題者(授業中は先生)が、四則計算の問題を出します

 

例えば、7×5 とか、12-8 とか、 63÷7 等

 

この問題は、学年であったり、重点的に子どもにやってほしい所によって、その時々で変わります

 

出題者が出した問題に、一番早く答えられた子の班がポイントゲット

 

解答権を持っているのは、その番号の子だけです。

 

例えば、1番の子だけ解答できる時に、同じ班の2番の子、3番の子が答えたら、そのグループにはマイナスポイントが入ります

 

 

大体、1位 4点 2位 3点 3位 2点 4位 1点

 

を与えて、4回出題したら、次の番に移行します

 

そして最後まで、終わったらポイント発表

 

一番ポイントが高かった班の子には、拍手! みたいな感じです

 

飽きてくると退屈だとは思うのですが、子どもはずっと飽きずにこれをやります (笑)

 

慣れてくると、先生がいない時に子ども達だけでやれるようにもなります

 

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子ども達だけでやっているときの写真。5年生

黒板に各班のポイントが書かれています

 

早く答えたもの勝ちなので、手を挙げなくてもいいのですが、この子は癖で挙げちゃってますね 

 

 

発展途上国の学校は先生が授業中に来ない・いない という事が頻繁に起こるので、基本その間子どもはずっとしゃべったり、

 

ひどいクラスになると外に出て遊び始めます

 

それだったら、大会をやらせて、少しでも勉強させた方がいいですよね^^

 

もし、子ども達だけで空きコマ中に出来る勉強・遊びがありましたら、ぜひ教えてください

 

 

 

 

②即答大会(個人トーナメント戦)

 

さすがにグループばっかやってると子どもも飽きてくるので、うちの学校ではトーナメント表を作って、時間があるときはそれに名前を書かせてやらせます

 

こんな感じの表

 

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トーナメント表

 

 

これだと1対1になるので、できる子も授業中にやる気が出ますし

(1番になりたいから)

 

出来ない子でも、全員の前で負けるのは悔しい という事で、授業中の練習に熱心になります

 

やり方は①の即興大会(班バトル)と一緒で、対戦する2人に出題者が問題をだし、早く答えた方が勝ちです

 

この欠点は、時間がとにかくかかること・・

 

終わらせるのに35人クラス(20分)・28人クラス(15分)は見ないといけません・・

 

でも一人ひとり、しっかりと対戦する機会があるのが、この個人バトルのいいところ

 

時間に余裕があるときに是非お試しあれ!!

 

 

 

 

③即答大会(個人バトル/急ピッチ編)

 

これは同僚のアメリカンピースコーが授業中に行っていたアイディアを真似したもの

 

まず初めに全員立たせます

 

先生が、競わせる何人かを指名します

 

その子たちの中で一番初めに応えられた子がウィナー

 

他の子は着席します

 

やっていくにつれ、着席する人が多くなっていき、立っている子どもが少なくなってきますよね

 

こうやっていって、最後の1人を決め(最後まで立っていられた子)、その子が優勝

 

この大会のいいところは、時間を選ぶ人数によって簡単に調整できるとこ

 

上の2つは最低でも10分ほどかかるので、時間がない時はこれをよくやります

 

 

 

 

 

④計算即答大会(Calculation Competition)

 

これは、子どもに紙を渡して計算させ、一番初めに答えられた子のグループにポイントが入るというものです

 

上記のように 14-8 や、 8×6 と言った暗記すべきことではなく、

 

1456+7465 とか、 9857÷8 と言った計算問題による大会

 

出題者が黒板に問題を書き、自分の番の子が計算をします

 

そして答えを早く言えて、正解だった子の班にポイントが入ります

 

つまり基礎ではなく、応用力(総合力)の勝負ですね

 

ここで強いのは、普段宿題をちゃんと出す、計算の練習を毎日している子が強い印象があります

 

たとえ早く計算できても、正確性に欠けていてはダメなので

(1度に1回しか解答権がありません)

 

毎日宿題を出してくる子は、少しずつ答えもあってくるようになってきます

 

問題のレベルは、学年によってもちろん変えます

 

実際に解いている様子

 

 

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計算大会の実際の様子。6年生

 

自分の番の子が計算しているのがわかると思います

 

この欠点は、終わるまでかなり時間がかかること

 

1回、約30分はかかります(学年にもよりますが)

 

なので時間があるときにやらせます(例えば金曜日を大会の日にするとか)

 

 

 

さて、普段は上の4つのうちで選んで、授業内に行っております

 

 

 

これら大会のいいところは、

 

①授業中のやる気が増す

(授業の最後で大会をやることは子どもにはわかっているので)

②楽しんで勉強ができる

③子どもたちで出来ることもある

 

という点です

 

悪い点は

 

①あまりに出来が悪いクラスだと、子どもが不正解ばかりで終わらない

 

ってことですかね

 

ですが、うちの学校ではかなりの成果を出している遊びなので、ぜひ試してみてください♪

 

 

今度、~楽しんで学ばせる工夫~ 第2章

 

もやろうと思うのでお楽しみに~

 

 

それでは!!