南アフリカ共和国 ~子どもを1人ずつ紹介していくよ♪ Part2~
どうも~ 月曜日担当のカオルです。
今回は、企画第2弾! ということで、またまた生徒を紹介させていただきます(笑)
第1弾をまだ読んでない方はこちらから
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kyouryokutaimath.hatenablog.com
というのも、もう私がブログを書く日数も少なくなってきたので、私が見返した時に「こんな子どもがいたな~」と懐かしくなるよう、記録に留めておこうかと(笑)
それでは行ってみよう♪♪
~5年生の部~
①Ualwela(ウアルウェラ)
1人目はこの子。
彼は5年生の中では非常に優秀で、とりわけ算数が良くできます。
全体的に見てもクラスでTop5には顔を出してくるので、万遍なく全教科出来ていますね。
また、授業中の指示への理解や、新しいルールや遊びのやり方に慣れることも早く、地頭が良いのだなという事を感じさせてくれます。
授業中も集中力があり、60分間座っていることも問題ありません。
また、先生が居なくなったから歩き回るという事もなく、座りながら机の上で絵を描いたり、手作りの紙で作ったサッカーゴールとかを使って誰かと遊んでいるようなタイプ。
あまり手を焼かせないので、悪い点がそれほど見つかりませんね。
良い点はたくさん持っている子なので、このまま成長して、大学に行ってほしいなと現実的に思える子の1人です。
②Takhalani(タカラーニ)
タカラーニは、ベンダ語で「Be Happy」という意味です。
彼がGrade5でトップを争う問題児。
始めてきた先生でも、彼を教え始めて1週間で明らかな多動症であることに気が付くでしょう。まあ多動だけではないように感じますが・・
まだ5年生ですが、年齢は14歳。中学2年生にいなければならない歳です(多留年)。
彼は3人兄弟なのですが、全員彼と似た状況。
ですが、彼が問題なのは多動であるだけであって、先生の言う事にも素直に従ってくれますし、スポーツも良くできます(そりゃ、中2が小5に混ざったらそうなりますが・・)
うちの学校では彼を特別支援に入れようという事で事務処理が進んでいますが、彼の家庭の場合お金の面からも少し厳しくて、現実的に話しは進んでいません。
こちらでの特別支援が必要な子は、「ある程度その子が成長してから入れよう」という考えが一般的。
日本でも言われますが、特別支援も「早期療法」が鉄則です。
時間が経てばたつほど手遅れになってきます。
でも「特別支援に入れる」ことは、親からしても大きな決断ですからね・・。学校側からも強制はできないので。
ですが、2年おきに留年するこの子のことを考えると、現状が可哀そうだなと思います・・
~6年生の部~
①Ndivhuwo(ンディブーウォ)
6年生クラス三ちびの一人。身長は現時点で128cmです。
とても小さく感じるのですが、日本でもやっぱりこれぐらいの子はいるのかな?
前まで髪を伸ばしていたのですが、2019年の終わりからはずっとショートヘアにしています。
彼女はいわゆる大人しくて、先生の話をしっかりと聞けて、お手伝いも出来るし責任感もある。そんな子ども。
6年生でもずっとトップのルサーニに続いて、クラストップ3には常に入ってきます。
ちなみに左から2人目はザウーディ。
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サムネの女の子。
ンディブーウォは学業優秀なのですが、英語は中でもとりわけ出来が良く、次勝てば全国大会に出場できる! という所まで行きました。
彼女のお父さんはベンダ族出身なのですが、ツォンガ族出身のお母さんと結婚。お父さんは英語やベンダ語はもちろん、南アでメジャーなズール語も含め、6言語ほど話せます。
言語能力がとても高いな~ と思うお父さんです。
彼女は本当に穴を見つけるのが難しい子ども。
地頭も悪くなく、コツコツと努力が出来る。わからない事もわかろうとする。
素直に先生の言う事も聞くし、かといって主張する時は主張できるし、誰かれも嫌われていませんし。こういう「出来る子は」仕事押しつけられて南アだと損(笑)
大学に行ける潜在能力が、現時点であるな~ と思う子の1人です。
②Wanga(ワンガ)
彼の名前はワンガ。とても元気いっぱいの男の子。
彼は5年生時にヨハネスブルグからGogogoへ引っ越してきて、自分のおばさんやおばあちゃんと一緒に住んでいます。
ちなみに今回5年生の部で紹介したタカラーニとは従弟。
彼はタカラーニのようなADHD系の症状は見られず、普通に元気な男の子といった感じ。
算数は出来ないのですが、それは彼が元からできないというよりも、南アの算数の教授レベルが低すぎて、基礎計算が疎かになっているからであり、彼自身の能力は多くの面で高く感じます。
先ず話していて賢く感じますし、物覚えも良い。相手の言っていることを理解し、それを具体的な行動に落とし込むこともできる。
もっとはやくGogogoへ来てくれていたらな・・ と思います。
クラス内では男子内においてリーダーシップもあり、人からも好かれています。
全く勉強しないのに英語の出来が良いのは、元から頭が良く、言語能力も高いことが良くわかります。
ンディブーウォは努力型、ワンガは地頭型。
ですがコツコツ努力が出来ないというのはGogogoにおいて致命的な欠陥になり得てしまうので、彼が大学レベルに行けることは難しいかも・・
「もしあの子が〇〇だったら、上手く行くのに・・」と言われるのは、今だけですからね。
なるべく早く自分の将来に向き合い、自分がやりたいことを見つけ、それに向かって頑張る。または、とりあえずの勉強の大切さに気付けたら、元が良いだけにうまく行くのにな~ と思っています。
~7年生の部~
①Mulamuleli(ムラムレーリ)
ムラムレーリ。愛称はムラム。
見てわかる通り、身長がほとんど僕と変わりません。
僕はぎりぎり170cm無いぐらいなので、中1で彼が身長が高いことがわかります。
でも実際にムラムは2・3回留年していると思うので、日本でいうと中3~高1ぐらいの年齢です。
この子ははっきり言って、勉強はできない。頭も良くない。
でも、めっちゃ良いやつ。
もう一度言います、めっちゃ良いやつ。
普通はこのぐらい身長が高くて、留年経験があり、勉強も出来ないとなると力を持っているだけに非行に走る子が多いです。
実際に去年いた多留の子は、今年は小学校に来ず、別の州で働いています。(当時その子は、7年生で16歳でした)
ムラムは初めて僕が来た年(2018年)の第1印象は良くなかった。背が高いし、礼儀もなってないし、受け答えも相手に不快感を抱かせる。
でも今思えば、大人しくて口下手だから、どうしても初対面の人にそういう印象を抱かせてしまうのかもしれません。
ムラムは先生のいう事も素直に効くし、授業中ほとんど理解してないけど問題に取り組もうとします。弟の面倒も良く見ていて、いつも幼稚園に行って送り迎えもしています。
地頭が良くないのと、勉強が壊滅的に出来ないのが本当に残念・・
彼の場合、普通に試験を採点していたら単位を落としてしまうので、なんとか彼をパス(進級)させようと、試験中に答えを暗に教えてしまう事もありますし、他の先生にも彼のテストの状況を聞いて、留年しないよう常に気を配っています。
何事に対しても容量が悪いですが、何か幸せに暮らして行ってほしいなと思わせてくれる子どもです。
この子が人のモノを盗るようになったなんてもし聞いたら、ものすごくショック。勉強はできないけど、「そういう事はしてほしくなかった」と思ってしまいます・・
幸せになって欲しい。そして俺がここにいる間は絶対に進級させる(チートしてでも笑)。めっちゃ良い子です。
②Dembe(デンべ)
クラスのトップ3に入るぎりぎりのラインにいる子です。
彼女の強みは英語。
言語能力がものすごく高いのか、めちゃくちゃ話せる。
クラスに1人だけいる、ぶっちぎりで英語を話せるような女の子。
彼女の家は立派で、液晶テレビもある。なのでおそらく小さいころからアニメ系のテレビを見ていて覚えたのでしょう。
学校にある英語の本も、一生懸命読んで、少しでも吸収しようとしています。
算数は普通。7年生の中でも真ん中くらい。
7年生は算数が出来る子が多いので、少しできるぐらいだと埋もれてしまいます。
教えていても、「理解が早いな~」とは思いません。
でも彼女がすごいのは、「先生、〇〇がわからないから教えてください」と言えること。
そして勉強に対する意欲が高いこと。ああ、こんな子どもに自分がなりたかった(手遅れ笑
今では生徒指導をする際に言語で「まったくわからない」状態になることはなくなりましたが、昔は良く彼女を呼んで、通訳をしてもらっていました。
その後も順調に英語を伸ばして行って、なによりなにより。
正直、大人になればあっという間に僕なんて抜いていくでしょう(笑)
逆に彼女に「生きた英語(ネイティブの)」をあげられていない自分が、少し申し訳ないです。やっぱり表現とかは、圧倒的にネイティブスピーカーの方が豊富ですから。
英語への自信と理解が、他の教科にも良い影響を及ぼし、成績にも良い反応が出ています。彼女は95%ぐらいの確率で、大学へ行けると思います。
というより、絶対中学から私立に行った方が良い。
進級を目標にするのではなく、もっと上の次元で闘える子になって欲しいです。
落ち着き、指示への適応力、仕事への責任感。とても信頼できる子供です。
彼女なら自費でも日本に連れて行きたいです(笑)
~今週の一考~
時に救われる子どもの無邪気さ
今回紹介したムラムレーリとの思い出で、僕が一番覚えているのは彼が発した何気ない言葉でした。
一時期(2019年2月頃)、僕は学校が嫌いで嫌いで、子どもの顔が見たくもない という時期がありました。
1週間ほどの期間だったのですが、その時は子どもと会話をしない、授業をただ淡々とやり、授業が終わったら職員室にこもり、宿題も出さない、放課後教室もしない、そんな状況でした。
きっかけは、「6年生のクラスが騒がしかった」という、ただいつもの1コマだったのですが、溜りにたまった不満が爆発し、子ども相手に怒鳴り散らし、「もう君たちを教えたくない!」と言って、教室を出ていきました。
その際にいろいろひどい事も彼らに言いました。先生失格です。
その次の日から本当に授業にはいかず、代わりに校長先生が6年生を教えてくれました。
僕は4・5年生だけ担当し、6年生の子どもは実質無視していました。
そんな中、ムラムが僕に近寄ってきました。
僕は「誰も近寄って来るな」オーラを出していたので、それで近づいてきた彼に対して「空気が読めなさすぎるんじゃない?」と思ったのですが、彼が言ったのが、
「先生、明日は6年生の教室に来るんですか?」
の一言。
しかも彼、英語が苦手なのに。間違い、躓きながらも話しかけてくれました。
その時に、
「いやお前、勉強出来なくて、授業中も集中していないのに、よくそんなことが言えるな・・」
と思いましたが、
「これだけ話しかけてきてほしくない時に、話しかけてくる天然の子って面白いな」とも思いました。
なんか常に下に向いてた気持ちのベクトルが、少し上に向いた瞬間でした。
それがその後気持ちが回復した直接の理由ではないのですが、その時に少し気持ちを上向かせてくれたのは、間違えなく彼の1言でした。
別に彼は今さら覚えていないとは思いますが、教師が言った何気ない1言も、子どもは覚えていたりしますし、子どもが言った一言も、教師は覚えていたりします。
そしてそれに救われたり、傷ついたりします。
なるべく傷つく言葉を言わず、救う言葉を言えるような先生でありたいなと、思いますね・・
帰国前ですが、改めてそんなことを思い出させてくれた、ムラムレーリでした。
ー今週(2/23~3/1)の簿記勉強時間ー
5時間。隊員報告会がありましたが、それにしても少ない(笑)
ですが、最低限終わらせなきゃいけないことは出来たので、しゃあない。また来週から頑張ろう。
それではまた来週♪