青年海外協力隊 算数・数学ブログ

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海外の私立小学校 どんな雰囲気なの?? ~リッジウェイインディペンデンススクール 視察~

どーも月曜日担当のカオルで~す

 

今日はお題にもある通り、海外の私立学校ってどんなかんじなの??

 

って疑問に思ってる人に、こんな感じの雰囲気だよ~ とだけ伝えられたらなと

 

ちなみに 学費は? 進学先は? とかそういうお話しじゃなくて、

 

 

先日、私立学校の視察を兼ねて行ってきたので、雰囲気を紹介するよー という流れの記事なので、あしからず・・

 

 

ちなみに私の任地のゴゴゴ小学校(公立)はとっても田舎の小学校で、今回行ってきたLidgeway Independence School は、マカド っていう地方都市

(日本で言ったら埼玉県の川越市みたいな感覚?にある)にある私立小学校です

 

すみません・・ 埼玉県民なので・・

 

東京で言ったら、八王子市みたいな感じかなー(すみません。。

 

協力隊のシニアボランティアさん(年齢が40以上の協力隊員をシニアボランティアと呼びます)が、このマカドに住んでいて、彼が個人的に家庭教師をお願いしている先生が、この学校の教師をやっている

 

という伝手です。 え? 説明わかりにくい? 

 

本題に関係ないから見逃して><

 

ちなみに今回二回目!! 

 

前回行ったときは、算数の授業レベルとか見てて(ゴゴゴ小学校で算数を教えているので、私立小学校のレベルが気になっていました)、あんまり他のクラスを周る余裕がなかったから、今回の方がゆっくりと見られましたー

 

話がこんがらがってもあれなので、

 

 

①どんな子供が通っているの?

②ざっとした雰囲気を知りたい

③自分の任地との違い

 

に分けて紹介したいなと思います

 

 

 

 

 

 

 

            ~~①どんな子供が通っているの~~

 

 

 

ここに通っている生徒の大多数80%以上は黒人です!!

 

その他15%インド系 5%白人 といった内訳

 

ちなみに黒人の子どもでも、ベンダを母語とする子と、セペディ(別の南アの言語)を母語とする2パターンがあります 

 

 

南アでは少しでも大きな街に出ると、大体黒人の言語が数個まじりあっているのが当たり前で、逆に私の任地のゴゴゴのように1言語オンリーというのは珍しい部類に入ります

 

さてここで私自身意外だったのが、私立小学校って白人の子どもたちがたくさんいるんじゃないんだ!? という点です

 

何となくイメージとして、

 

白人=ある程度豊か→親が子どもを黒人の学校(公立)にやりたがらない→私立に行かせる

 

の流れがあったからです

 

 

この話は的を射てると言えばそうで、私立でも白人が過半数の私立もたくさんあります。例えば元が白人専用学校の私立だったところとか

 

つまりこの私立は、裕福な黒人のための私立学校 と言ってもよいでしょう

 

同じマカド市内に、白人が過半数を占める私立もあります

 

なので結局、住み分けがなされているんですね

 

 

 

さてさて、続いてどんな家庭状況なのか

 

やはり黒人の中でも裕福な子たちが通っています

 

私もここの学校の話ではないのですが、別の私立小学校(田舎村の)は月3000ランド(日本円で25000円)かかると聞いたことがあります。

 

おそらくこの学校はより都会部にありますし、もっと高いと思われる・・

 

それとは別に送り迎えのトランスポートフィー(交通費)も取られます。皆遠くから来ていることも多いので、親が毎日送り迎えできる子も限られています

 

 

南アの給与水準は正直言って私もよく知らず、先生にも訪ねにくいのが現状・・

 

アメリカンピースコープスの友人曰く、校長(50歳)で300万ほどだとか

 

南アの公立学校はすべて無料なので、子どもをわざわざ私立に入れるのは、ある程度お金に余裕がないとできません

 

結論として、黒人の中では比較的裕福な子たちが来ていますね

 

 

 

 

                         ~~~②ざっとした雰囲気を知りたい~~~

 

 

それではまず講堂付近の写真を一枚

 

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遠くに見える建物が講堂

 

講堂は、全校生徒・職員合わせて400人ほどなのですが、余裕で入れる広さです

 

 

中にはバスケットボール用のゴールとかもあったので、日本で言う体育館的なポジションです。確かに自分が子どもの頃も、中学校は講堂と体育館が別でしたが、小学校に講堂は無く、体育館で行事等は全部行われていました

 

 

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子どもは椅子に座りながら、月曜日は全校朝礼を行います

 

前の方から1年生・2年生・・・7年生 といった感じ

 

朝礼中は七年生がぐるっと席全体を囲むように立っていて、ふざけてる子がいないか監視していました

 

朝礼内容は、

 

校長のスピーチ(今日は遅刻してくんじゃねえ!朝礼の時間守れ! の巻)

 

→国歌斉唱

 

→校歌斉唱

 

→校長のスピーチ

 

→表彰

 

でした。前回行った時もこの流れだったので、いつもこんな感じ

 

大体30分いかないくらいかなー

 

 

また、行動の外観の写真を見てくれればわかると思うんですけど、地面が芝生ですよね

 

 

この学校は、本来はゴゴゴと同じ赤土なのですが、どこも芝生で舗装?? されていました

 

 

グラウンドも

 

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これでグラウンドの半分で、反対側にはもう一つサッカーゴールがあります

 

 

小っちゃく見える子ども達は、ボールゲーム(体育みたいなもの)の時間

 

この人数でこれだけの広さのグラウンドを使えるなんてほんとに羨ましい!

 

 

やっぱり私立学校なだけあって、お金は持ってるなー という印象

 

クラス編成は1学年2クラス(1クラス25人ほど)×Grade7までなので、それほど規模は大きくないですよね(この計算でも全校生徒はざっと350人)

 

 

でも敷地は結構広い ・・

 

まあ南アは土地は広い国ですし、この小学校は町の中でもはずれの方に立てられているおかげで、地価もかなり安いのだと思われます

 

 

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6年生の英語の授業。教科書の物語について文法をおさらいしながら習っています

 

奥に見える先生はインド系? ですよね。おそらく

 

 

よくみてください、子どもは人差し指を挙げて返事をします

 

これマジ不思議。ゴゴゴの子ども達は日本の子どもと一緒で手はパーです

 

 

さてさて、何となくお分かりいただけたでしょうか?

 

そしたら最後は一番大事なトピック

 

 

 

③私立と公立(Gogogo)で具体的に違うの!!!??? 

 

 

(1)設備面

 

当たり前ですが、私立とここの差は大きいです。

 

この学校内にはオフィス(事務受付)のほか、職員の休憩ルーム、トイレも数か所(水洗・手洗い所つき)、PCルーム、印刷機数台、各クラスに先生専用の部屋(先生の備品を置いておける部屋)、全敷地が芝生、音楽の授業用の楽器(リコーダー等)等々

 

がきちんとあります。教室内でも、机が1人に1つ

 

 

日本の公立学校だと、全部当たり前の設備ですね

 

特にGogogoでトイレの後に手をすぐに洗える場所がない ことは、そのままの手でお菓子を食べる子供たちにとって病気を誘発する原因になっているかもしれません

 

また、机が1人に1つあるのも、日本だと当たり前ですが、南アでは私立ならではのしっかりとした仕様ですね

 

Gogogoでは長机に2人がけが基本です(椅子は1人1つで、机とは分離しています)

 

また教科は低学年(1・2・3年生)は学級担任制(担任の先生が全教科教える)

 

それ以上(4・5・6・7年生)は学科担任制(各教科で先生がバラバラ。教室は移動してその先生のクラスへ行く)

 

 

また、現地の白人の言語であるアフリカーンス語(南アの白人層が話している言語で、支配者の言語とも言われ、最近大学の講義をアフリカーンス語を使ってやることに対する学生デモ等も起きている)の授業もあります

 

南アの白人には2通りありまして・・

 

オランダ・ベルギー等ヨーロッパの貧しい移民が17世紀ごろに渡ってきて現地の言葉と混ざり合って出来たのがアフリカーンス語

 

20世紀ごろからイギリスが支配していた時に使った言語が 英語 です

 

この2種類の白人の間では権力を争って過去に戦争も起きてますので、全く別の民族です。今でも同じ白人ではあっても、全く別の白人という意識です

(日本人と韓国人が、同じ黄色人種であっても全く別の民族意識 であることに近い)

 

現在南アの公立学校でアフリカーンス語の授業はありません

アパルトヘイト時代はありましたが、アパルトヘイト廃止後行われていません)

 

だから黒人がほとんどのこの私立小学校でアフリカーンスの授業があるというのは、かなり奇妙に感じます・・

 

なんでだろ???

 

まだアフリカーンスを母語とする子どもが多く通う私立小学校だったらわかるんですけどね・・

 

 

(2)時間感覚

 

私立小学校では、授業が始まる五分前にきちんとベルが鳴って、先生たちもそのベルに従って移動していました

 

なのできちんと授業開始のベルで始めることが出来ますね

 

教頭先生が、全校朝礼の際に少し遅れてきたクラスがあったことで、時間を守るようにと長く話していましたし、その感覚は徹底して子どもに教えているよう

 

もちろん全教室に時計があります

(南アでは、田舎の公立学校に時計が職員室にさえないことが当たり前に起こり得ます。どうやって時間を知ってるかって? どうやって知ってるんですかねw)

 

 

この時間感覚はGogogoの先生方に一番わかってもらいたい感覚

 

ふつー に遅刻してきて、ふつー に休み時間後もだらだら話して、

 

そういうところが本当に変わってほしい(日本人感覚だと (笑) )

 

 

(3)先生のやる気

 

これは私立の先生方の間でもまちまちに見えました

 

教室の飾りつけとか、イラストとか見ていても、

先生によって全然教室の味付けが違いますね

 

いろいろ工夫を凝らしているような教室づくりの先生もいれば、結構殺風景の先生もいたり・・

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これはシールを貼っていって、たまったら賞品がもらえるもの(1年生)

 

 

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机の上に数字の感覚をつかむための道具が・・(1年生)

 

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身長測定? 単位の概念に親しむための身長測定器(3年生)

 

でも、それぞれの教室にアイデアがたくさんあって、見ていて楽しかったです^^

 

おそらく、自分の教室はずっと自分の教室(学年が変わっても、生徒の持ちあがりはしない)からアレンジしやすいのかも

 

 

とまあ、先生のやる気なんてのは、長くそこに滞在してコミュニケーション取らないと分からないものなので、深くは触れないでいようと思います

 

 

(4)授業の質

 

これも関心ごとの一つです

 

ピースコープス(アメリカの協力隊版ボランティア)のアレックスとも話したのですが、

 

 

あっ  言い忘れてましたが、今回の視察には彼もいっしょに行きました

 

アレックスはGogogo小学校で英語と算数を教えてます

 

話を戻して、

 

授業の質ははっきり言って並です(日本人・米人感覚だと)

 

日本の公立学校の先生の方がよっぽどうまく教えていると思います

(考えさせる授業?)

 

でも南アの公立のレベルがひどすぎるので、相対的に私立の方が(良い)という評価になるのだと思います

 

もっと言えば、私立の子どもの方が授業をしっかり聞く準備ができている

(長い時間座っていられる・人の話は聞くものという感覚が少しでもある)

 

ので、授業は工夫しなくてもやりやすいというか、生徒が聞いてくれる感じです

 

 

これが公立のGogogoになると、4・5年生でも授業中にうろついてないと気が済まない多動の子(ADHD)や、10分も集中力が持たない子、学習障害が重すぎて全く理解できていない子

 

等々いるので、もうChaos(カオス)だと、ピースコーと話していました (笑)

 

だって4年生の半分が留年を経験している(1-3年生までで)学校ですから、年齢も様々ですし、もうカオス

 

私立の子どもの方がある程度家庭環境も豊かなので、やっぱりある程度上のレベルの子があつまっていますね

 

 

(5)子どもの学習理解度

 

これも重要なポイント

 

なぜなら教科書の内容がどこまで進んでいるかと、子どもがどれだけ理解できているかは全く別物だと、Gogogoで思い知らされたからです

 

南アの教科書はとっても立派で、本当に全部理解しているならみんな天才が育つ設計の教科書なんですよ^^

 

なお現実は1桁の引き算で間違える子が多発するこの国・・

 

私立はというと・・

 

 

やっぱり進んでいますね

 

きちんと教科書通りに授業を進められていました

 

クラス内に理解の遅い子はいるものの、まあ数人

 

あのぐらいだったら先生がカバーできる人数だと思います

 

また、重度の学習障害 なんて子はいないので、進みが遅い と言える範疇

 

上と下の子どもの差がGogogoと比べて小さいなー って思いました

 

 

最後にGogogoに帰ってきたときの写真を一枚

 

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子どもが廃タイヤで遊んでます

おんなじ国でも環境が全然違いますね・・・

 

 

そんな感じでどうだったでしょうか?

 

質問等あればコメント欄にお願いします!

 

それではーーー Bye!