青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

ナミビア~めあての提示~

突然ですが!!

こんな状況であなたならどんなことを感じるか,

イメージしてみてください。

 

①なんとなーく始まり,いつ終わるか分からない会議

②レジュメのないプレゼン発表

③チャイムが鳴り終わってもなお続く先生の話

 

さあ,みなさんはどう感じるでしょうか。

わたしはいつ終わるか分からない,流れが見えない状況に

きっとソワソワし始めると思います(笑)

でも,同じことを感じる人は多いんじゃないでしょうか。

そして子どもなら尚更・・・

ナミビアでは学期末のテストが行われていますが,

教室には時計がありません。子どもたちは1時間,教科によっては

2時間という長時間を与えられますが,残り何分かなんて,腕時計を

持っている子しか分かりません。私なら不安でしかありません…

 先が見えないと人は不安になります。

そして反対に、目標や流れを知ることで,人は落ち着いて物事に取り組むことができます。

これは授業を受ける子どもたちにとっても同じことが言えます。

 

それでは,今回の話「めあて」についてです。

めあてという言葉…なんだか懐かしい響きだなぁと感じません?

みなさんも,必ず一度は目にしたことがあるのでは?

英語ではいろんな言い方があると思いますが,わたしは

なんか一番しっくりくる「Today' goal」を使っています。

 

ここで日本の話を少し。

日本の小学校では,研究授業というものが行われています。

研究授業とは,簡単にいうと,たくさんの先生たちの前で授業を

公開して見てもらい,良い点や改善点を話し合い,より良い授業を

作っていこうという取り組みです。

何の教科を研究するかは,学校によって違いますが,わたしが

勤めていた学校の研究科目は算数でした。

そして,研究主任がいつも全職員に口が酸っぱくなるほど仰っていたのは,

「めあてを毎時間作りなさい!めあては大事です!」

ということです。

 

それでは,めあてとは何か。めあての何が良いのか。

 

今日の学習で何を学ぶのか,

何をゴールに頑張ればいいかが分かる。

 

例えば「位に気を付けて足し算をしよう。」というめあてであれば,

あっ,今日は足し算を学習するんだ。位に気を付けないといけないんだな!

という,今日の学習の内容を知り,目標を意識させることができます。

何がゴールで,何を意識させるかによって,集中力も変わってきます。

筋トレをするにも,何も意識せずに行うより,今どこの筋肉を動かしているのか意識しながら行うほうが効果があるのと同じですね。

 

うちの学校では,教科書が足りないので,子どもたちはノートしか持っていません。

なので,次の単元が何か,次の時間の内容が何かなんて知ることができません。

そこで,単元の流れを知ったり,後でノートを見返したりするときにも

めあてを見れば,その日の内容をより思い出しやすくすることができます。

 

また,めあてと合わせて

①宿題の確認

②九九のフラッシュカード

③例題をみんなで考える

④練習問題

⑤今日の宿題

のような,授業の流れも一緒に提示できるともっと良いと思います。

次やることが分かっていると,子どもたちも安心できますね。

 

 

日本では,前時の繋がりからめあてを子どもたちに作らせ,より主体的に

学習を進めようとしていましたが,ナミビアではそこまでできていません。

とりあえずは,子どもたちが「Today's goal は何??」と聞いてきて,少しずつ

めあてを意識してくれているので,まずはそれで良いかな,と思っています。

 

 

しかもめあてには先生にとっても良いことが☝

めあて(目標)が決まると,次に、授業をどのような流れにすれば

その目標が達成できるかを考えていくと,授業が組み立てやすくなります。

ぜひぜひ試してみてください。 

 

最後に賢い子のノートを。こんな風に書いています。

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