青年海外協力隊 算数・数学ブログ

協力隊員が任地・任国の算数・数学~生活・旅行事情まで、幅広く紹介するブログです

タンザニア北部まで来て1年ぶりの・・


また1週間が過ぎました。タツです。

今回は・・・

                 単位

について。

今回長い話になります(;^ω^)

 

皆さん単位と聞くと何を思い浮かべますか?

m(メートル)?  kg(キログラム)?  はたまた秒?

色々あると思いますが・・

ここで広辞苑

 

1. 長さ・質量・時間など、ある量を数値で表す時、比較の基準となるように大きさを定めた量。

2. 一つの集団・組織などを構成する基本的なひとまとまり。物を量ったり、数値で表したりする時に基準としたひとまとまりの量。

 

などなど

 

メートルなどは1番に当てはまりますが・・・

今回話を進めたいのは2番。

例を挙げると、「クラス単位」「単位面積」などで使われます。


いきなりですが中学数学の問題

Q.4点 (0,0), (0,4), (3,4), (3,0) で囲まれる図形の面積は?

 

長方形ですから答えは12ですよね。

 

中学生の頃の自分

「12cm^2(平方センチメートル)じゃないの? 単位付けないとピン(バツ)だって言ったの先生じゃん!」

と生意気にも教師の解答に反論してました(笑)

先生がなんと答えてくれたか忘れてしまいましたが・・・

(今タンザニアの生徒にこれ聞かれると答えられるかな・・)

 

 たとえ一マスの一辺が1cmだろうと3cmだろうと、「単位面積」が12個あるって話ですよね。
因みに単位面積とは「大きさが1の面積」です
あまり書くとややこしくなりますが、別に正方形でなくても構いません。

縦2、横1/2の長方形でもいいですし、
半径1/√πでもOKです。

単に正方形だと考えやすいから、という理由で中高生の頃は「一辺が1の正方形を単位面積」としています。

さてさて
寄り道が長くなりましたが・・

ここでもう少し寄り道を(笑)

ちょっと難しい話が入ってくるので、「わからん」って方は飛ばしてくれて構いません。


大学数学の中に「群(環)論」という分野があります。
あまり省略しすぎると専門家等色々な人から突っ込みをもらう羽目になりますが・・・
(後、数学から離れてもう1年(!)経つので忘れてる部分もあるかも・・)

簡単に言うと

かなり抽象的なものを扱っていますが、群(環)論の中の一つの具体例が高校生までで習う演算(加減乗除)になります。

用意するのは「集合」と「演算子

具体例を挙げると

「集合」は自然数の集まりや実数の集まりや偶数の集まり、などです(数字の集まりですね)
演算子」は足す引く掛ける割るです。

で、その「集合」と「演算子」で「群」になっている条件に、単位元が存在する、ってルールがあります。
(すみません、かなりわかりやすく書いているつもりなのですが、如何せん久しぶりなものでかなりウキウキしながら書いております・・・(;^ω^))

単位元とは・・・
(具体例を考えたい場合は以下「元」という言葉を「数字」に置き換えてください)
「その集合の中にあるどんな元に対しても、ある元が存在して、演算子で計算しても不変にできる元」
です

(。´・ω・)?ってなった方、それが普通です(笑)。
たいがい数学勉強している方はおかしな連中です。

改めて具体例を挙げると・・

集合を「整数」、演算子を「足す」にした場合、単位元は・・・
0(零)
です。
どんな整数に対しても「+0」をすると元の値と不変ですね。

集合を「実数」、演算子を「掛ける」にした場合、単位元は・・・
わかりますか?

1
です
どんな実数に対しても「×1」をすると元の値と不変になります。

はい、お疲れさまでした。
大学数学は以上です。

一見何の関係もない「単位面積」単位元ですが・・・

両者に共通しているのは、最初に「単位」の説明をした時に出てきた

              「基準」

となっているんです。

面積は先述した通り。

 

単位元は・・・、

(なるべく専門的な話を避けたいのですが( ̄∇ ̄;))

ちょうど「半分の場所」と考えてくだされば・・・いいかな・・・

加減法では、比例y=xのグラフ。

乗法では、反比例y=1/xのグラフ

がそれにあたるかもしれません。

比例は原点0、反比例(xは正)は(1、1)で折り返しが付きます。

 

さて


前置きがながーーーーーーーくなりましたが

なお、ここからは単位元の話とは一切関係ありません。


実は昨年末、生徒に面積の求め方を教えていました。
(本当は小学校でも習っているんですが、如何せん使用言語が違うので改めて説明)

その時に単位正方形を用いて説明しました。
その後休憩時間、とある生徒が負の数の計算方法を聞いてきました。

いつもなら数直線を書いて
「プラスはどっち?引くってどっちに動くの?」
と質問するのですが、

ふと日本にいた頃の研修を思い出し
たまたま持っていた単位正方形を出して

「これ(単位正方形)って1って意味だったよね。
 これを数直線上に置こうか」

と話を切り出しました。

プラスは右側、マイナスは左側は念のために確認。

「プラス1ってのは、もし右側に何もなかったらこれを1つ置く。既に右側に正方形があったらそれを1つとる。」

というルールを出しました。

日本の小学1年生の、本当に足し算引き算を習い始めるものの延長ですかね?


ちょっと解説をすると

+2+1の場合
0を基準として最初に2個正方形を右側に置く。
その後+1は、既に置いた正方形の右側には何もないので1個正方形を置く。
右側(プラス)に何個正方形がある?
→+3

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-2+1の場合
今度は左側に2個正方形を置く。
その後+1は、-2の位置からだと既に右側に正方形があるので1つ取り除く。
どちらに何個正方形がある?
→左(マイナス)に1個

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という感じでした。

 

自分でも教えていて(というか今書いてても)

ちょっとわかりにくかったかな、と思いましたが

 

ここでわが校の生徒のすごい所。
なんとこれで瞬時にわかる子がいる。

いや、いつも数直線書いて指で
「はい、右に何個進んで・・左にいくつ進んで・・」
をちょっと可視化しただけなんだけどな・・・

ここで自分の悪い所。
「あれ?じゃあ結局、面積と負の数って考え方は本質的には同じものなんじゃない?」
(↑何を言ってんですかね)

もしかしたら、-1という数字を「見ることが・数えることが」できないから今までわからなかったのかな(*_*;

 

鉛筆は1本、2本と「見て」数えられて、足し引き算ができる

12本集めた1ダース

これも新しく数える「基準」を作っているんですよね・・。

ダースも1つ2つ(個?箱?)と数えることができる・・・。

 

まだまだ数学知識に乏しいと思える自分なりにですが

負の数にも「単位なんたら」という概念を覚えたら計算しやすくなるのかな

と感じてしまいました。

 

因みに他の生徒に教えるとわかる子とわからない子が・・

そりゃそうですよね。
万人にわかる説明なんてないですよね・・
(いやあるかもしれませんけど)

とりあえずこれは授業中には用いず、土曜授業や休み時間等、暇な時間に使用することに決定。

半分自分の趣味にお付き合いいただきありがとうございました( ̄▽ ̄)
次回は分量を減らします。

いや書く気力が・・ね